今 、日本は少子高齢化問題が叫ばれて久しいです。しかし、地球全体から見れば、人類は増殖し過ぎていることは明らかです。 それに歯止めをかけようとするのは、自然の摂理から当然のことで、そこで、人類を減少させるような力がいろいろとかかってくるのだと思います。癌などの遺伝子に内包しているリスクもあれば、様々な気候変動や新型コロナウィルスのような非常に危険な病原が次々に生まれて来ることもそうだし、ある程度文明化が進んだ社会において、生殖能力の低下、婚姻率の低下と言った出生率の低下とつながっていっていると思います。
 地球規模で問題なのは人口増加であって、減少は増えすぎた人類への歯止めであり、局所的に問題となるのは、年齢構成の歪さです。つまり、年齢構成の是正に対しての少子化対策というものが意味あるのです。

 確かに、大量消費を前提とした社会発展という見方をすれば、人口の減少は大問題と見えるかもしれません。しかし、人口減少は、本当にまずい事なのでしょうか。太陽なども含め自然の恵みには限りがあります。その恵みの恩恵を隅々まで行き渡るようになるくらいの生命の数であれば、環境問題、食料問題などは無くなるはずです。自然を司る神が存在すると仮定すれば、そういう地球に変貌させるようにいろいろな力が動き出すことになるのです。そういう自然の摂理を無視して、産めよ増やせよと唱えているのは、誰でしょうか。政治家達であり、経営者達、富裕層なのです。今の経済システム、政治システムは、富を求めています。その富の源泉は民衆の数なのです。民衆がこつこつ生み出す富を搾取することで富裕層の生活が成り立っているのです。富裕層そのものは、現実的な富を何も生み出すことはありません。民衆が生み出す小さな富をいかにかき集めて大きな富にし、いかにうまく搾取するかということが重要なのです。分かり易く言えば、10人しかいない村では、全員が働かなければ生活はできませんが、それが1万人の村になると、9千9百人の働き手がいれば、後の百人は、例え名目でも、政治、行政、経営などということで、物的生産性の無い仕事で成り立つのです。もちろん、民衆がばらばらに仕事をするより、誰かが統率した方がいいのはもちろんなのですが、それが民衆の為となっているのかというのが重要なところです。問題なのは、富の配分なのです。非生産的な富裕層が、民衆ひとりに必要な富の何倍、否、何千倍、何万倍の富を必要とする生活をする為には、自身で生産した富の極一部で生活するような民衆を大量に作れば作るほど良いのです。だから、人口減少で経済は疲弊し、民衆の暮らしが成り立たなくなりますから、人口減少に歯止めをかけるべきと主張するのです。前述したように、太陽のエネルギーを受け、地球は多くの富を産出することができ、また技術の進歩がさらにその生産性を上げることが出来るのですから、そこから得られる富をうまく配分すれば、現存する人達の生活を成り立たせることは可能なのです。個人資産が何十兆円というような人達がいる一方、飢えに苦しむ人達が何十億人も存在するのは、そのような状態を許容する社会システムがまだ未熟だと言えるのです。

 ここで、少子化問題に話を戻しましょう。自然から与えられた恵みであるエネルギー、農作物、鉱物などには限りがあります。いくら科学技術が発展しようが、限られた恵みをいかに効率的に使用するかということは可能でも、ゼロから恵みを得ることはできません。ですから、存在できる生物の数も、人間もその一員ですが、限りがあるのです。自然は、この数を維持するようにいろいろな力を働かせて来ます。理想は、地球という環境に、一定範囲の生物数が恒常的にバランス良く存在することがいいのでしょう。しかし、人類は増え過ぎました。その反動で、先進国では少子化という問題が発生したのです。この対処方法として、単純に生めよ増やせよでは、自然の摂理に反することになり、うまく行きません。自然は、必然的に少子化の方向を目指すのです。先進国の当面の問題としては、高齢者の割合が増え、生産年齢層の割合が減るということで、生産年齢層が高齢者層を支えられなくなることです。長期的に見ると、いずれ高齢者は寿命がつき、あるときから、急激な人口減少となるはずです。その時点で、すべての年齢層でバランスがとれた構成となるように、できるだけ早く取り掛かるべきことは、

  • 平均的な出生率がひとひとりに対しひとりの出生(出生率1と呼ぶ)となるようなバランスをキープする。つまり、産めよ増やせよではなく、多く子を持つひと、少なく子を持つひと、子を作らないなどいろいろなひとの平均が出生率1となるようにする。この事を考えた政策を作る。
  • 現在から、バランスがとれた人口構成になる時点までは、高齢者の割合が多い期間が続くと思いますが、その期間だけは、別の対策が必要です。例えば、海外からの労働力を許容したり、ロボットの活用を積極的に推進すると言ったようなことかもしれません。

 いずれにせよ、この問題の根底にあるこのような理解を忘れてはいけません。このようなことを良く認識した上で、様々な政策を立案していくことが必要なのです。

投稿者

弱虫語り部

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