新型コロナウィルスとの闘いがもうすぐ二年となります。この間、ほとんどのひとの生活が変化し、職が無くなったひと、収入が減少したひとなど、辛いことに直面しているひとも多くおられると思います。
そういう状況の中、悲惨な事件が続いています。何事もうまく行かず、そのような境遇に自暴自棄となり、ひとを殺傷する事件も増えています。と言って、そのようなことが許される訳はありません。弱者を救うことが政治の重要な使命であるはずですが、それも効果的に為されていない現実はあるにしても、だからと言って、ひとを傷つけることが正当化されることは決してありません。生物の利己主義について、以前、お話しましたが、一方、人間は他人のことを慮る(おもんばかる)能力があります。被害者の立場に立って、考えることが出来れば、これらの行動がどれだけ酷いことかわかる筈なのですが、その想像力の欠如が事件を引き起こすことになっていると思います。すべてDEタイプのひとが引き起こしていると言いたい所ですが、DEタイプは簡単に捕まるような行動を執りません。多分、自暴自棄で、他人のことを考えられなくなったWEタイプのひとが多いのかもしれません。そういう意味では、追い込まれたWEタイプのひとが孤立することを防ぐことが悲惨な事件を防ぐ鍵のような気がします。現在の社会では、他人との関わりの煩わしさから、一人で生活し、問題となる状況になっても、誰にも相談することが出来ず、また周りのひとから声がかかるということも無くなっているケースが多くなっているのでしょう。多くの事件の加害者に、親身に相談できるひとがいたり、声をかけるひとがいれば、他人を傷つけることがどんなに酷いことかを気付かせることが可能だと思います。政治家や官僚がこのような弱者を救う環境を作ることが重要なのですが、金にも票にもならない弱者より、金持ちの方を向いて仕事をしてしまうひとが多いのが現実だと思います。コロナ禍で、仕事が失われ、生活が困窮するひとにタイムリーに効率的に支援が届かないのは、いろいろと言い訳をしていますが、政治家、官僚のやる気の問題だと思います。貧困に苛まれている人々を助けられないことが、さらに悲惨な事件の被害者をも生んでいるということに気付いて欲しいと思います。