小泉元総理から安倍元総理へと続いた政策に起因する労働環境の変化が格差社会を生んだ大きな要因であると思います。現在、非正規社員が4割に迫る割合だという事です。当時、日本企業は人件費が高いこと、雇用の固定化などにより国際競争力を落としているとのことで、企業の都合で雇用、解雇をできる非正規社員の増加が図られて来ました。企業側にとって、メリットの大きい方策ではありますが、非正規社員から見て、低賃金のみならず雇用の不安定性という大きなデメリットがあります。政府は、雇用形態の多様化による企業に縛られない自由な生き方が可能であるなど、美辞麗句でこの流れを正当化しようとしていました。確かに、労働者側が選択権があるとも言えますが、現実は企業と個人の力関係から、労働者が自分の意志で企業や労働時期、期間を選択できるケースはほとんどありません。
 優秀な経営者は雇用を守って、かつ競争力を維持することが出来ています。安易に合理化する経営者は、短期的な業績改善は出来ても本質的な企業力強化は出来ません。企業環境によって、雇用、解雇を繰り返すのは、経営者に経営能力がないからなのです。これまでの政府の政策は、結局、無能の経営者を増やし、多くの貧困層を生み出しただけなのです。
 フルタイム労働ではなく、短時間労働でないと働けないケース、例えば、学生や主婦のパート、アルバイトなど非正規が適している場合もあるとは思いますが、学校を卒業して社会人として長く自身の稼ぎで生計を立てようとするものにとっては、ほとんどの人が安定な継続雇用を望んでいるのではないのでしょうか。しかし、現在のように6割しか正社員の枠がないのであれば、仕方なしに非正規を選択せざるを得ない場合が多くあると思います。
 このような状況が、多くの貧困層を生み出しているのだと思います。非正規社員を助長する政策は、大企業を中心に競争力?を高めることに役に立ったかもしれませんが、国民全体の暮らしを良くしている訳ではなく、一部の富裕層、大企業の社員など限られたものが恩恵を受けたと思われます。言い換えれば、貧困層が増え、貧富の格差が広がったということです。
 政府、政治家は、結局、自身の地位を維持する為に、集票への影響力が強く、資金的な援助が期待出来る大企業、富裕層を優遇する政策をとってしまうのです。
 世の中には一泊で百万円もする五つ星ホテルに泊まる人がいます。一方、年収が百万円にも満たない非正規社員が多数存在します。この現実に目を背けて、世の中を良くしましょうと謳っている政治家は何なのでしょうか。政権党から真反対に位置する共産党でさえ、多くの国民が貧困で苦しんでいるのに、自分達の非情に高い給与、諸手当、特権を手放さないのが政治家の真実を現わしているように思います。コロナ禍、物価高と国民の暮らしをさらに悪化せしめる緊急事態においても、選挙がすべてのような動きをする多くの政治家達のはだかの王様とも言える鈍感さ加減には、ある意味感心します。彼らを助長させているのも、勘違いさせているのも、その責任の一旦は、そのような人物に投票する我々の責任でもあるのです。
 裸の王様に見て見ぬふりをする民衆になるのではなく、真実を叫んだ子供になるべきなのです。
 選挙では、政党名だけで候補者個人の資質など考えずに投票したり、綺麗事ばかりの非現実的な公約に夢を見るように投票したり、誰がなっても一緒だと棄権したりすることは止めましょう。もし、これぞと言う候補者がいない場合は、どうどうと白票を投票しましょう。白票でも、驚くべき数になれば、何かが変わると思います。

投稿者

弱虫語り部

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