大学生向けの就活情報サイトが、底辺の仕事ランキングを掲載し、批判に晒されています。この記事の問題点はネットなどでいろいろと指摘されている通りだと思います。
それ以外に私が感じた違和感は、この記事では、選ぶべきは楽して出来るだけ多くお金を稼ぐことと言う前提で職業を選別していることにあります。もちろん短期的に見れば、楽して稼げる方がいいと言うのもひとつの考え方であると思うのですが、例え、生活の為にお金を稼ぐこととしても、楽だから、沢山稼げるからとそれだけで何十年もモチベーションを保ってやれるものでしょうか。一日の三分の一、二分の一の時間を費やして、それを何十年も継続してやっていけるでしょうか。大事な自分の人生の時間はやはりやりがいを持ってやる、苦しいことがあっても達成感を感じて初めて充実したものとなるのだと思います。ありきたりの言葉ですが、職業に貴賤は無く、社会に必要であればどの職業も重要であり、その職業にやりがいを持って就けるひとがいるから社会は成り立っているのです。
これから職業を選択しようとしている若者には、その本質的な部分を教えることが一番大切であり、底辺職は何で、楽な仕事は何だとかという観点を示すことは若者達に非常に間違った選択をさせて、後々後悔をさせることになってしまうと思います。
実際、一般的に花形と言われている仕事にだって大変な苦労がありますし、大企業に就職すれば安泰なんてことはありません。いずれも厳しいものですので、その仕事に打ち込めてはじめて充実した人生を送ることができるのです。そのような仕事につけても、不幸な人生を送らざるを得なくなったひとなどいっぱいおられますし、逆に今回底辺職と言われている職業について活き活きと生活されているひとも多数おられるのです。極論を言えば楽してお金を稼ぐことの最たるものは犯罪(例えば今話題の給付金詐欺とか)に手を染めるということです。真っ当にお金を稼ぐには、どんな職業であれ、外からは見えない苦労があるのです。その苦労を乗り越える為には、その職業が自分の適性であるということと、やりがいを感じるかにかかっているのです。その結果としてお金を稼ぐことができるのです。但し、社会の必要性に従って稼げるお金の額が決まっている訳ではないことが問題ではありますが。そのあたりは、政治が是正していかなければ、それこそ社会に必要な数だけの成り手がいなくなると言うリスクがあります。それこそ民間任せでは出来ないことで、政治が主導していかなければならないと思います。