日本の政治を担う議員の多くが議員の持つ魅力的な収入、特権に引き寄せられた人達であるのではと、述べて来ました。その根拠として、与党、野党の区別なく、国民が困窮している状況でも、自分達の高収入、好待遇を見直そうとしないことを上げています。さらに、選挙も金とコネなくしては当選できない状態を継続することにより、二世、三世、有名人、団体をバックにした者しか当選できないようにしています。選挙の中身も、数多くの掲示板へのポスター貼付、選挙カーによる名前連呼や街頭での握手活動と、ただ名前を憶えてもらうことに注力した前近代的なスタイルを変えようとしていません。
IT技術がこれだけ発達した現代なのに、未だに旧態依然としたこのやり方を維持しているのは、国民ファーストの化けの皮を剝がされないような選挙こそ重要であると考えているからとしか思えません。こういう形の選挙を続けていけば、自分ファーストの人間が多数当選していくのを防ぐことは出来ません。本当に国民、市民の為に尽くしていただける人が立候補でき、当選できるような選挙システムが必要なのです。
だからこそ、議員の待遇と選挙制度をセットで抜本的に改革する必要があるのです。これまでにも主張して来ました改革の内容を振り返りますと、
① 議員の個人収入は国民の平均年収並みにする。但し、政治活動に必要な費用は以下の条件を満たせば制限無く支給されることにする。この経費を個人的に使用したり、不正に利用した場合は議員の資格を剥奪する。
② 政治活動に必要な費用はすべて申告制として、支出理由、領収書添付を必須とする。
③ 選挙に出る為の供託金は無くし、金銭的には立候補の障害を低くする。代わりに、選挙区の有権者の1%以上(要検討)の推薦人を必要とする。
④ 選挙管理委員会のホームページを開設し、すべての候補者の基本情報、公約をいつでも、どこでも簡単に閲覧できるようにする。パソコン、スマホを保有しない人には、役所、図書館などで自由に閲覧できるようにする。反対に、街中のポスター掲示、街宣車活動、郵便物などによるDM等は禁止する。
⑤ NHKはもちろん、NHK以外のテレビ局でも公費から支出しゴールデンタイムの枠を確保し、政権放送、候補者討論会をかなりの頻度で放送する。
⑥ インターネットでも、⑤の録画放送を見たい時間に見られるようにする。
これらの狙いは、お金や特権、名声目当ての候補者を排除すること、候補者個人でのお金がかからないようにすること(政治は金がかかると言う定説を覆し、金権政治を脱したい)、候補者の意思などがなるべく多くの有権者に届けられるようにすることです。議員の待遇及び選挙の改革は、政治家の手ではなく第三者による検討、答申を国民投票で承認して決められるようにしたいとも思います。
改革は絶対に必要だと思いますが、残念ながら改革が達成されるまでは現行制度で実施する訳ですから、その中でどのように候補者を選別するかは非常に難しい問題です。私の場合は、ホームページで各政党の公約を確認し、候補者の政権放送、公約を見た上で、国民の為のものか、実現可能性はどうか、と言うような観点で検討しました。少なくともパパ活議員のような候補者は見抜きたいと思っていますが、どうでしょうか。我々が今できることは、候補者を安易に選ぶのではなく、出来るだけ多くの情報を集め、厳しく吟味することしかありません。