参議院選挙開票速報のテレビ番組で、各政党の党首などがどの局にも登場して、コメンテーターからいろいろ質問されていました。中には、厳しい質問に正面から応えず、はぐらかしたような発言をされていた方も少なからずおられました。政見放送のように、一方的に視聴者に向けて語るときは、自分の言いたいことを自信ありげに坦々と話されておられるのに、一方、そのような公約などについて矛盾をついたり、実現できるのかと言ったような質問をされると、急にワンパターンの自分の意見の繰り返しになってしまう状態を見て、非常に残念な思いです。示されている公約は国民にとって耳障りの良いものが多く、そのこと自体には期待したいと思うようなものですが、そのような質疑応答の姿を見ていますと、この人達は本当に掲げた公約を本気で達成しようと思っておられるのか心配になります。国民は、そういう所をちゃんと見ていると思います。だから、一見素晴らしいと思える公約にも、誰も期待しなくなるのだと思います。選挙の結果がそれをよく現わしています。

 これは野党だけの問題ではありません。国会中継を見ていますと、野党の質問に、総理や各大臣は都合が悪くなるとすぐはぐらかした答弁をされることが多いのです。

 議会政治では、国民の代表たる議員の方達が、アイディアを出し合い、それについて白熱した議論を重ね、少しでもより良い成案をひねり出すのが本来の姿だと思いますが、現実はかなり違います。

 日本人はもともと議論が得意ではない人種であると言われることもありますが、西欧から民主主義、議会政治を導入したのですから、まともな議論を出来ることが議員の最低限の資質だとすべきだと思います。東京選挙区で当選した芸能人の方など、自分はまだ勉強不足、知識不足だからとテレビの取材を断わったらしいですが、そんな状態で、立候補するなんて、有権者を馬鹿にしているとしか思えません。ここまでレベル低いのは論外ですが、立候補者に対し議員としての資質を確認してから各政党が推薦すべきと思います。

 自分の考えを整理し、発言し、反対論に対してもきちんと反論できるくらいの弁論の能力は必要だと思います。議会での一票の投票でしか議員の仕事を示すことが出来ないような方は議員に値しません。そして、まとめに議論もしないような政治家は国民の為の策を議員全員の知恵を結集して生み出そうという意志が無いのだと思います。ただ、自分の党のかかげる政策を数の理論で認めさせることにしか興味がないのでしょうか。それでは国民の納得いく政策とはならないでしょう。生産的な議論こそ、議会に必要なのです。

投稿者

弱虫語り部

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