日本(もしかしたらどこの国でも)の政治家は、問題が起きた時の釈明で、どうして国民の理解を得られないのでしょうか。それは、劣勢になったとき、分が悪いとき、負い目があるとき、それを正直に認めようとしないからです。ほとんどの人間は、非を認めると責任をとらないといけないから、今の地位を失うからと、自分の非を認めたくないものです。それで、いろいろとはぐらかしたり、胡麻化したりして、追求を逃れようとします。特に多いのは「記憶に無い」と言う台詞です。記憶に無いから、何も答えられないと言うのでしょうか。
これはひとつの自己防衛反応ですので、誰もが多かれ少なかれ経験しているものでしょう。子供の頃は親や先生に嘘をついたことは誰でもあるものだと思います。それだから、親や先生は「嘘をついてはいけない」と子供に諭すのです。
しかし、現実はどうでしょうか。親も先生も嘘だらけ、本来は国民の手本となるべき、議員は、馬鹿正直では損だと、何度も嘘で固めることは当たり前であり、騙せる嘘が浮かばないときは、知らない、記憶に無いとしらばくれるのです。今の政治家にはそれが当たり前になって来ているようです。さらに不味いのは、神聖な議会の中でもそれがまかり通っているのです。こんなことで意味のある議論が為されるとは思えません。だから、真剣な議論の上に生まれるべき良い知恵が出てこないのです。
自己防衛本能は生まれたときから備わっているものですから、それを無くすことは出来ないとは思いますが、政治家、議員、官僚などは公共の利に資することを目的とした職業ですので、本来は高い倫理観を持っていなければならないものと思います。だからこそ公僕と言われるのだと思います。それが、自分の地位を守るために見え透いた嘘や誤魔化しを重ねることは日本国民を害するものであると充分に自覚すべきです。自分の為に仕事をしたかったら、議員や公務員を辞するべきです。