前回のブログで、近隣の市議会を傍聴したことを書きましたが、そのとき、来年度予算の100ページ以上の詳しい資料を入手しました。ざっと目を通しましたが、感じたことを述べたいと思います。
これまでの五年間の実績も示されていました。収入の変化はありましたが、いずれの年も得られた税金や交付金の収入額に合わせて支出額が決まられています。得られたお金は使おうと言うのでしょうか。もちろん、支出は収入に限定されているので、使いたくとも使えない支出項目があったから、収入が増えたら使いたかったと言い訳されるのでしょう。但し、そのような方針だと税金の無駄遣いに歯止めはかかりません。
役所の部所毎に実績主義が基本となりかなりの部分が継続的に支出されています。確かに、社会保障、治安、インフラ・ユーティリティ維持、教育の関係など毎年必要なものもあると思いますが、一般会計に紛れている事業費も見受けられます。
企業会計が市として何をやりたいのかと言う事業投資となると思いますが、この中でも、一般会計で賄えなかった基本的な費用が紛れていたりしますし、基本方針は描かれていても、それと具体的な事業との関係、その方針に沿う為にこの事業が本当に即しているのかという事や、どの事業を優先するかと言う議論がどこまで為されたか疑問です。体裁は繕われていると言うところで、不消化の結論に至ったように感じました。これは役所の担当部所毎に積み上げ、寄せ集めた結果なのでしょうが、そのような積み上げ方式で予算を組んでいる以上、真に市民ファーストの予算への変革は難しいと思います。また、収入を如何に確保し、かつ効率的に税金を活用する為の行財政改革については、ほとんど薄っぺらな課題しか示されていなくて、本気度は感じられませんでした。
財政が破綻でもしない限り、このような形は変わらないのでしょうか。本当は、余裕のあるときに、ゼロから必要な支出を選択していくような根本的な検討を部所を離れた第三者的なチームで検討するのがいいと思います。それをやり切るのには、首長の強いリーダーシップと前例に囚われない柔軟な知恵を持った人材が必要です。