前回のブログで、真に国民、市民の為に献身的に活動し、そのことに遣り甲斐を感じる人を議員に選ぶべきであると述べました。それでは、どうすればそのような人を議員にすることが出来るか、整理してみたいと思います。
議員の報酬と特権は非常に魅力的です。一旦、当選すれば、任期中、例え大した貢献をしなくても、この権利を保障されるのです。だから、このような権利を得ることを目的に議員になりたいと思う人が続出するのです。そして、今の選挙制度であれば、議員としての能力よりも、組織票を持つか、知名度がある人が選出されるのです。一旦、そのような人が議員になると、その既得権益を手放さないようにしがみつきます。また、今の選挙システムは彼らの意図が守られ易いものなのです。つまり、組織票を積み上げることや、知名度を上げる為には、多くの金が必要となるからです。選挙にお金がかかることが、善良な候補者が出馬できない元凶でもあります。実は、議員の高額な報酬や手当は、議員の資金力の源泉ともなっているので、既得権益を握る議員が有利なのです。
議員の地位を目指す人間にも、いろいろなパターンがあります。世襲で、選挙基盤を保有している二世・三世、地元の盟主で、事業で成功し、その財力で選挙に出る名誉欲に駆られる人、一度でも議員の椅子に座れれば、任期期間中に蓄財する人(無理には再選を目指さなくて、議員活動、選挙活動への出費を極力抑える)、議員年金の条件を満たすまでは、選挙にすべてをかける人(現在、地方議会議員の年金は廃止されています)、労働組合や業界団体からの支援を受ける人(一般市民よりも支援団体の為に活動する)、等々自身の為や特定対象の為に働く人達が多く存在しているのです。
このような実状を考慮しますと、本当に一般庶民の為に働き、その貢献に充実感を感じ、幸せを感じる人が選挙に出るような環境を作る方法が浮かびます。
まずは、議員の報酬、手当、年金、特権(国会議員の交通機関のフリーパス等)を見直します。報酬は、国民、市民の平均年収レベルとします。使用目的のはっきりしない手当や特権は廃止します。必要な経費はすべて、領収書、目的を明らかにした実費支払いにします。使途不明なお金は、個人的支出や選挙費用に使用されていると考えられますので、これを防ぐことが重要です。と言うことで、議員の待遇の魅力度を大幅に下げます。
さらに、一般の人に大きな障害となっていた多大なお金が必要となる選挙システムを変革しなければなりません。つまり、選挙にはお金をかけないで済むようなシステムに変更します。具体的には、選挙ポスターやチラシ、街宣車による活動は禁止し、インターネットでの活動に切り替えます。ネットでの活動に公平性を保つように、政府や地方自治体が、選挙用ホームページを作成し、候補者は自由にそれを活用して、基本方針、政策案、公約などを登録出切るようにします。また、彼らの主張がどれだけ本気であるかをチェック出来るように、候補者は有権者からの質問、コメントに対応しなければならないようにします。また、選挙区単位で、候補者の討論会を設定して、配信します。ネット活用に不慣れな高齢者などに対しては、役所、公民館、公立図書館などに端末と選挙管理委員会所属のインストラクターを常駐させ、高齢者などの選挙情報入手をサポートします。
整理しますと、庶民と比べれば多大な議員の報酬や待遇を無くし、それらを目的とした候補者を排除し、お金や知名度と言った一般人にとって大きな障害を無くし、本当に国民、市民の為に働きたいと目指すものには誰でも立候補出来る選挙方法に変え、彼らと既得権益を守ることに固執する候補者と真剣な論戦をさせ、それを有権者が確認出切るようにすることが大切なのです。
この改革に対して最も大きな問題は、このような変革を決めることが出来るのは、今現在既得権益を持っている現役の議員だと言うことなのです。