政治と金の問題について、国会での議論が紛糾しています。具体的には、政治資金規正法をどう改正するのかで、各党の意見の食い違いになかなか合意点が見えてこない訳です。このようなことで国会が混乱していては、国民の暮らしを少しでも良くすることや防衛の問題など、国民の生活と安全を守るという最も差し迫った問題に踏み込むこともままならないように思います。
このような噛み合わない議論になっていますのは、各党がそれぞれの小手先の改正案を主張し、議論しているからだと思います。私が主張したいのは、政治には金が多く必要であるという、各政治家の根本的考え方が間違っていることなのです。政治家が正直に述べることが出来るとしたら、政治に金が必要なのではなく、政治家の地位を維持するのに金が必要だ、つまり選挙に勝つには金が必要だと言うことなのです。逆に言いますと、一部の有名人を除き、現在の選挙システムであれば、選挙期間中に限らず、選挙活動には金をかけた方が当選する確率が高いのです。また、多くの組織票を有する団体の支持を受けた方が当選し易いのですが、その為に、それらの特定の団体を利するような法に触れないような動きが鍵になるのです。その為には、その活動に対して、多くの秘書やブレーンが必要で、そこへの報酬にも多くの金が必要なのです。
これらの選挙で当選する為にかかるお金を除けば、今の議員達の支出はそれほど多くはないと思います。純粋に、それを政治活動費用とすべきなのです。それであれば、今のような税金から各党へ支出する必要もありませんし、政治資金パーティをする必要もありませんし、企業献金を受ける必要もありませんし、ましてや、裏金を作る必要も無いのです。
そして、政治活動と選挙活動を完全に切り離すこのような状況を作る為には、選挙の仕方を全面的に変えなければならないのです。それが私が常々、主張しています選挙システムなのです。基本は、各候補が必要な活動の為の環境作りはすべて税金から支出します。選挙期間中のテレビ、ネット、ビラなどの活動は公平に候補者に割り与えられ、候補者はその資金を捻出することに頭を悩ませることなく、国民に訴える内容を考えることに集中出来るようにするのです。何を国民に訴えるかが肝であり、その考え、公約などの内容で勝負するのです。もうひとつ重要なのは、その内容への本気度を測れるように、候補者間の議論の場を多く設定します。有権者はその討議を通じて、候補者の真意を少しでも多く汲みとれるようにするのです。ですから、候補者となれば、この討議を回避することは出来ないようにします。
このようにすれば、お金を多く集めるものが、選挙に勝ち、権力を握るなどということが無くなります。企業、団体と裏で癒着したり、二世、三世など世襲議員でなくてもいいのです。知名度の低い一般の人も、政党や団体に属さなくても、本当に、国民、市民の為に仕事がしたいと考える人が立候補出来るようになるのです。