前回のブログで、政治と金の構図を説明しました。分かり易くする為に、ひとりの政治家の動きを辿ってみたいと思います。

 もし、ここに国民の為に政策を生み出す能力も、国民の為に働くという志も無い議員が存在したとします。それなのに何故、議員になろうとしたのでしょうか。それは議員の待遇が魅力的だったからです。使途を明かさなくて良い旧文通費も含めると三千万円以上の年間報酬と、公費で公設秘書を二人雇え、これを家族に割り振り、実質、議員一族に入るお金が4、5千万円とすることも可能なのです。さらに、国内の交通機関を利用出来る無料パスや都内の一等地に議員社宅が完備され、周りから先生と持ち上げられ、富も名声も得られるのです。国民の為になるような仕事をしなくても首になることも無く、彼の関心は、如何に次の選挙で勝つことだけです。そして、それは議員での実績は必要無く、如何に政党の推薦を得られるか、企業、団体の支持を得られるかで決まるのです。政党の推薦を得るには、政党の出す政策にちゃんと賛成し、投票するというように、党の方針に従順でいればいいのです。また、企業、団体については、彼らが求める政策について、党の上にきっちりつなぐのも重要です。また、選挙で有権者に表面的に取り繕うには、党の成果を自分が貢献したように主張するだけでいいのです。さらに、党が集めた政治資金を割り振ってもらうように、幹部に媚びへつらい、政治資金パーティーを開催しては、派閥の言う通り、一部の金を不記載で裏金作りに励むのです。

 このような、国民にとっては何の役に立たない活動を続けていれば、議員の地位を維持し、報酬も特権も得られ、彼の目論見は叶えられるのです。

 政府や政党の幹部も、彼については、選挙に勝って、国会での一票を党の意のままに投票してくれるロボットであればそれでいいのです。

 このような国民にとって悪循環の構図を絶たなければ、今の日本の窮状はさほど良くはならないでしょう。議員というものが、下心のある人間にとって、富と特権を得られる美味しい職業にさせてはいけないのです。この点をしっかり考慮して、この社会を変えていかなければならないのです。

投稿者

弱虫語り部

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)