連日、元スマップの中居氏のトラブルの問題が報じられていますが、社員がこのトラブルに関与していたと疑念がもたれているフジテレビの社長が会見しました。これに対し、様々なメディア等が多くの問題点を指摘しています。
その点については、私も同感とすることが多いのですが、ここでは、このような状況にある組織の問題について述べたいと思います。
今回のフジテレビの件については、詳細が明らかにされていませんので、あくまで、これまでのいろいろな組織の問題の延長線上として、述べさせてもらいたいと思います。
これまでも企業や大学、団体の不祥事が続いていますが、その組織に共通するのは、一部の権力者がその組織の力関係の中で、正当性、公平性に欠ける行動をとっており、また、その権力者に忖度する周囲の環境があって、その結果、その組織の中に多くの問題を生んでしまっているのです。
社長や代表、理事長、会長という組織の長は、その組織の中では絶対的な存在です。特に、部下の報酬、待遇にも強くリンクする人事権を持っているからです。一方、トップがいくら優秀であろうが、多くの実績を残していようが、人間である以上間違った行動、判断をすることはあります。ですから、トップは自浄作用につながる非常に高い自律心、倫理観を持つのが理想ですが、残念ながら、そのような性善説には期待が裏切られるものです。ですから、もし、トップが間違った行動をした場合に、それを訴えることが出来る仕組みが必要なのです。それで通報窓口を設置する企業などが増えていると思います。これも、それを統括するのが人事部門や内部統制部門であれば、完全な独立性が担保されている訳ではありません。そうなので、今までの色々な組織の不祥事については、ほとんど組織外への通報やメディアによる記事で暴露されて、露呈したものです。
残念ながら、そこまでに至らない場合は、結局、トップを含めた一部の人間のやりたい放題の状態が続いて行くのです。
そのような組織では、トップに取り入って、出世したい、高待遇を受けようとする部下が取り巻きを構成するようになります。このような構図が出来上がりますと、トップの専横的な動きが加速されて行って、不正行為、例えば、組織の金、財産などの私的流用、他組織との不当な取引、不公平な人事、パラハラ、セクハラの横行、ひいては、それらの問題の隠蔽へとつながって行くのです。
どんなに大きな企業であろうが、有名な大学であろうが、実績のある団体であろうが、生身の人間が介在していれば、このような構図が生まれる土壌があるのです。
そのことを肝に銘じつつ、我々は組織の中で生きていかなければなりません。その組織を遠い未来までも繁栄、成長させたいのであれば、社員はその企業活動の目標線上の成果によって、評価、処遇すべきです。上に媚びへつらい、上の為に不当な行為も辞さないような人間を評価したり、人の上に立たせてはいけないのです。この単純なことが出来ないのは、トップが周りにおだてられ、お山の大将にどっぷり浸かってしまうからなのです。残念ながら、私がこれまで経験したり、見聞きしたりして来た組織にも、大なり小なり、そのような構図が見られました。
前回のブログで人間の陥りやすい悲劇について述べさせていただきましたが、今回のテーマでも人間の愚かさを痛感します。そのことを考えますと、人間が人間の評価をすることは非常に難しいことであることを痛感します。人間の評価もAIにさせた方がいいのではとまたまた悲しくなるような結論となりました。