フジテレビの再度の会見がありました。この会見について、前回の社長会見に比べ、オープンな環境で行われたことには改善は見られましたが、質疑応答の内容には不充分だという感想を持たれた人が多かったようです。私も同感ではありますが、ここでは今回のような企業としての信頼回復の目的で行なった会見としての在り方について述べたいと思います。
参加記者の質問が途切れるまでこれだけ長い時間をかけて実施したのに、フジテレビの経営者の発言がある部分不誠実であったことで、全く目的を達しなかったことに対して、彼らはどう考えているのでしょうか。彼らがこのような過酷な会見を持とうとしたのは、フジテレビの収入の大部分であるコマーシャルのスポンサーの多くが撤退し、さらに四月の改編時のスポンサー契約締結交渉も頓挫している状況は、制作現場も進める道が無い非常に危機的な状況で、これを一刻も早く解消しなければ、企業として立ちいかなくなるという背景があるからと思います。ですから、第三者委員会の結果など待っていられない状態なのです。ということは、この会見で、逆転ホームランを打たなければならなかったのですが、今回の内容を見ていますと、会長、社長の首を差し出したらホームランになると甘い見通しをしていたとしか考えられません。本当に状況をきちんと読めていない能天気な経営者達だと思いました。
私であれば、いずれ第三者委員会で明らかにされるであろう、フジテレビの不正な部分をこの段階で洗いざらい告白するべきと思います。そして、そのことへの対応として、経営陣全員の刷新を決めると思います。今回の会見で、多分そうだろうと思えることは、長い期間の間、会社として、女性社員、女性アナウンサーをスポンサー、タレントの接待要員として使って来たこと(性接待までは意図いていなかったかもしれませんが)、さらに、今回の中居氏のトラブルではそうではなかったかもしれませんが、一部の社員がそのような環境を拡大解釈し、履き違えて、性接待につながるような動きをしていたことを認めるべきだと思います。また、女性のケアが大事だと考えていたのは嘘ではないかもしれませんが、同時に、出来れば中居氏と被害者の間に示談が成立し、中居氏を継続して使いたいとも考えていたことも認めるべきです。それらを認めた上で、今後そのようなことが無いような対策を示すことだと思います。
このようなことは大手メディア企業として最低なことで、平時であれば隠し通したいとは思いますが、ここまで差し迫った状況であれば、洗いざらい認め、きちんと現実と向き合い、必死になって改善することを誓うべきです。また、このような環境というか、風土を作ったことは、30年以上続いた独裁体制に起因していたことも認め、その為、表向きは経営トップではありませんが、実質的な役員の人事権を持っている陰の実力者である取締役相談役を追放することも必要だと思うのです。
それくらいしても、どれだけスポンサーが帰って来るかは不透明ではありますが、今のような危機的状態ではそこにかけるしかありません、そこまでやってはじめて起死回生の逆転打となる可能性があるのでは思います。