国際法でも、ある条件を満たせば戦争は認められているかもしれませんが、それこそ大きな過ちであると思います。戦争は絶対廃絶しなければならないのです。
自然界では、食物連鎖に従って他の生き物を食料とする為に殺すことはありますが、かなり特殊な状況を除けば、同種の生き物が殺し合いをすることは少ないと思います。ましてや大量に殺し合うのは人間だけなのです。本来、このような種の保存の法則はDNAにインプットされているので、自然に進んで行けば、学校で習うのも、宗教の教えでも、人を傷つけたり、殺したりすることを強く戒めているようにそれが自然なのですが、残念ながら、長い歴史の中で、多くの殺戮が繰り返されて来ました。これこそ、人間に備わっている本能よりも自分の欲望を優先する人間が権力を握って来た結果だと思います。
この悪の連鎖を断ち切らなければいけないのです。だから、何度も繰り返しますが、人間同士での殺し合いを各国の個別の法律だけでは無く、国際法で、全面的に禁止し、厳しい罰則を設けるべきだと思うのです。軍事力を使えるのは、防衛目的だけに限るのです。どんな理由があろうが、軍事力で他国を攻撃することを許さないようにすべきだと思います。それを違反する国があれば、いろいろな制裁を受けるようなルールを作るのです。
この展開に対して、一番の問題は、核兵器の存在です。今回のロシアの侵略も、核兵器の使用をチラつかせることにより、EUも派兵しウクライナを守ることは難しく、例え、前述したような国際法の改正があったとしても、国連部隊として簡単にロシアに軍事的対応が出来なくなってしまいます。このように考えますと、核兵器の廃絶は世界平和にはどうしても欠かせないことだと思います。
まともな感覚を持っている人間であれば、核兵器廃絶と国際法での侵略戦争の禁止が世界平和の為の避けられない方策であることが理解出来ると思います。
ということは、今も、世界全体が平和になるよりも自分の地位や富を守ることを優先するもの達が権力の座に就いていることが多いと言うことなのです。彼らは、自分の欲望が満たされないのであれば核戦争で地球を滅亡させてもいいと思っているのでしょう。そのような独裁的な人間達を権力の座から引き摺り下ろすことが、まずは第一段階なのでしょう。
言葉にすれば簡単なのですが、このようなことを実現するのは大変難しいことです。この展開を可能にする為に必要な条件は、大多数の一般庶民が賢明になることだと思います。みんなが権力者に踊らされているような今の状態が続けば、体制を覆すことは出来ません。
それを可能にするのは、教育でしかないと思います。残念ながら、多くの国で、教育は受験を主目的とするようなシステムがほとんどだと思います。そのような状況下では、各自は自分だけは裕福な人生を送ろうと考えるエゴと、そのような流れから落ちこぼれて他人のことなど慮る余裕など持てないエゴが蔓延ってしまうのです。だから、教育は、人間が幸せな人生を送る為には、自分だけが成功するだけでは不充分であること、お互い、切磋琢磨するとしても、今の現実の世界の問題をしっかり知らせて、それを是正するには、それぞれを尊重し、助け合うことが、ひいては自分自身の幸せにつながることをしっかり認識出来るようにすることが重要なのです。
時間はかかると思いますが、世界の全ての場所で地道に人道第一な教育に築き直すことにより、賢明な判断が出来る人間を増やしていくことしか平和へと続く道は無いような気がします。