米国トランプ大統領主導のロシアとウクライナの停戦交渉が迷路に迷い込んだような感じがします。
当初、トランプ大統領は短期間で停戦を実現すると述べていましたが、四ヶ月間経過しても、芳しい進展を見せていません。トランプ大統領は、彼が示す停戦の条件に対して、ウクライナゼレンスキー大統領が首を縦に振らないと非難しています。その条件は、米国はクリミア半島をロシア領として認めること、ウクライナはNATOに加盟しないこと、ザポロジエ原発周辺を中立地として米国などが統治することなどだそうです。この案だと、ロシアは認めるかもしれませんが、ウクライナとしては承諾出来ないのでしょう。ウクライナだけではなく、国際諸国としても、軍事的に侵略した土地をロシア領として認めてしまえば、他国の領土を軍事力で奪い盗ることを認めたことになり、国際法から考えても違法行為を許すことになってしまうからです。
と言って、このまま戦争を継続すると、今後もウクライナ、ロシア双方に多くの死傷者が出て、市民生活も著しく破壊されることになってしまうと思います。ですから、この停戦交渉、和平交渉は非常に悩ましいものであるのです。
以前のブログで述べましたように、私自身はお互い妥協してでも(私の妥協案については、「645. 戦争を止める仕組みはどうすべきか」を参照してください)、戦争を終結させることが最善の選択肢だと思っています。と言って、ゼレンスキー大統領の考え方も理解出来ます。そこで、さらなる私の提案は、停戦条件をのむのか、のまないで戦闘を続けるのかをゼレンスキー大統領に判断させるのではなく、国民投票をして、国民の判断に委ねることは出来ないでしょうか。もちろん、国民投票で結論が出るまでは、停戦とすべきだと思います。
どちらを選択したとしても、ウクライナ国民の気持ちが晴れることはないと思いますが、最後は国民が決めることによって、少しは納得感があるかと思います。
一方的に侵略されて始まったこの戦争なので、ロシアが諸悪の根源であると思います。しかし、ロシア国民がプーチン大統領を信任している以上、軍事大国ロシアを撥ね退けることは難しいです。そういう状況を考えて、非常に不条理であろうと、理不尽であろうとウクライナ国民の意志を決めるしかないと思います。
このようなことを述べなければならないこと、私自身も大いに憂鬱な気持ちに落ち込まざるを得ないのですが、自分の命や生活については、国に命令されるより、自分で決めた方がいいと思うのです。