ロシアはウクライナ侵攻を、特別軍事作戦と称していましたが、五月九日の戦勝記念日にウクライナに宣戦布告して、戦争状態に突入すると予測されています。そして、国民総動員令を発布するかもしれません。このような状態になっても、ロシア国民はプーチン大統領を支持し続けるのでしょうか。多くの国民が徴兵され、戦場に送られるかもしれないのに。
 日本が、日中戦争から太平洋戦争に突入したときを思い起こされます。成年男性は赤紙という招集令状で、出身地の連隊に招集され、戦地に送り込まれていったのですが、国民こぞって招集されることを名誉として、近隣住民などから万歳三唱で見送られたものでした。しかし、ほとんどの国民の本音は戦争などに行きたくなかったのではないでしょうか。しかし、そんなことを言い出せば、非国民として村八分にされるので、表向きは誇りとして受け取っているように振る舞っていたのではないでしょうか。その時代には、富国強兵政策で、個人よりもお国が第一と小さな頃から教育されていたので、ほとんどの人々は戦争に反対できなかったのです。でも、きっと現代の我々と一緒で心の中では平和に暮らしたいと願っていたと思います。
 今のロシアの人々はどうでしょうか。戦前の日本や旧ソ連時代よりは、民主主義の暮らしを経験しつつあったのではないでしょうか。西側の文化が入って来て、欧米の暮らしなども身近になっていたのではないでしょうか。そういう点で、いくら厳しいプロパガンダが行われていたとしても、先程述べた戦前の日本の状態とは違うのではないでしょうか。現在は一時的にプロパガンダが功を奏して、多くの国民がプーチン大統領を支持していますが、多くの国民が招集され戦地に送り込まれるようになれば、多くの国民が戦争をしたくないという本音を現し易くなり、現在行われている戦闘は非常に理不尽であると気が付くのではないでしょうか。いつも述べていますように、戦争で実際に血を流すのは、最前線に投入される国民や、戦禍に巻き込まれる国民なのです。今の理不尽な行為を止めることが出来るのは、多くの国民がそのことに気が付くときだと思います。プーチン大統領も、国民の支持を得られなくなれば、今の地位が安泰となる訳はありません。プーチン大統領がウクライナの戦況に窮して、国民の愛国心に頼り総動員令を出したことが、もしかしたら国民の目を覚ますことになるかもしれません。そのことを強く期待したいと願っています。