交通事故はかつてよりは減ったとは言え、まだまだ毎年多数の死傷者を出しています。昨日のニュースで、赤信号を無視した車が自転車をはねて男性を死亡させた事故が報じられていました。車を運転していたドライバーが助手席にいた雇い主に赤信号を突っ切れと言われて、一度減速していたにも関わらず、再び加速して交差点に突入し男性をはねたことが防犯カメラの映像で確認されたそうです。
突然の悲報に残された遺族の悲しみはいかばかりか想像を超えるものと感じました。自動車はトンレベルの巨体に、アクセルを踏めば簡単にスピードが出る構造をしていますので、生身の人間と衝突すればひとたまりもありません。つまり、人を簡単に殺せるという意味では、凶器と同じなのです。確かに自動車は今や仕事やレジャーに欠かせない乗り物となってはいますし、誰でも比較的簡単に免許を取得できるので、大変身近で気軽で手頃な乗り物であると認識している人が多いと思いますが、使い方を間違えれば刃物や銃よりも危険な凶器なのです。この意識が希薄な人が運転していると、多分交差点であろうがそうそうは横切る車や人とぶつからないだろうと安易に判断し、信号無視をしてしまうことがあるのではと思います。これは自分本位で物事をとらえる人間にありがちな傾向ですが、自動車事故は一旦起こしてしまえば、その結果は悲惨なものになるということを想像し、安全サイドに考えた運転をすべきなのです。楽観的に「たぶんないだろう」ではなく、悲観的に「もしかしたらあるのでは」と想像して、それを回避するように運転することが重要なのです。
人生は、いろいろ辛いことや苦しいことが多くあるので、それらに負けずに進むためには楽観的に考えるということも大切ですが、こと車の運転だけは悲観的に考えて先々に安全サイドの手を打って進めることが必要なのです。このちょっとした配慮で今回のような悲劇を回避できるのです。突然大事なひとを失うようなことを繰り返さない為にも、ひとりひとりにこの精神を浸透させていかなければならないと強く思いました。