参議院の選挙運動で候補者、有権者の意見をいろいろと耳にします。足元の課題は、値上げへの対応という生活保障、他国の侵略のリスクへの対応という安全保障の二点が最大の争点になっています。どちらも緊急を要するもので、選挙戦限りで終わらないようにきちんと実行につなげてもらいたいと思います。
 選挙の投票率という点では、若者の選挙離れが続いています。誰が当選しても何も変わらないという閉塞感が原因とも聞きます。かつては、普通に真面目にやって来た新卒であればある程度の正社員の就職先が見つかったものですが、現在では望んでも正社員になれない人も多くいるようです。社会人としての人生設計を描けずに将来に不安を抱えている若者が多くいるというのも社会的に大きな問題です。
 その中で、社会に出ても、学生時代に受けた奨学金の返済が大きく生活を圧迫している問題もあります。家庭の事情で、奨学金を受けなければ学校を卒業できないという人は少なからず存在する訳ですが、そのような家庭環境の中、卒業して就職できたとして社会人のスタートから多額の借金を持つことになるのは非常に大変なことだと思います。もちろん、完済した人も多くおられると思いますが、非正規社員にしか就けずに、その中から奨学金を返済することで、生活に窮したり、結婚して家庭を持つことに対しても大きな負担になっている方もおられるのです。
 高校の無償化など多くの若者が学問を平等に学ぶことができるような方策が叫ばれていますが、私自身の考えは、学問を自分自身の考えで学びたいと考えている若者には貧富の差無く、就学を保障することが重要で、学問を目指す意志の無い人まで強制的に勉強させる必要は無いと考えています。高校、大学と進学することばかりが人生ではありません。自分の就きたい職業の修行に就くことだって非常に大切ですし、その方が充実した生活を過ごすことができると思います。高校、大学を卒業したという経歴にしか興味が無く、嫌々学校に通うのは、大切な時間の浪費にしかならないと思います。逆に、経済的に余裕は無いが本当に勉強したいと言うひとには、返済の必要の無い奨学金を与えるのがいいと思います。
 税金の使い道にはいろいろとあると思いますが、社会的な弱者を救うことも重要な使途だと思います。消費税が導入時の目的であった弱者を支援する社会保障の充実ということでは無く、大企業の税制優遇、富裕層の減税等強者を支援する為に多く使われて来たのを見ますと、これまでの政権は自分達に役に立つ強者の方を見て政治をしているとしか思えません。
 最近、親ガチャという、裕福な家庭に生まれてこなかったなら社会的に恵まれないことを揶揄するような言葉に若者の悲鳴が聞こえて来るようです。生まれ育ちに関係無く、若者に平等にチャンスを与えるようにするには、政治の力が必要なのです。画一的にひとを当てはめるのではなく、それぞれのひとの多様性のある人生を支援できるように、効率的、効果的に税金を投入するという観点が無くては、有効に税金を使うことはできないと思います。

投稿者

弱虫語り部

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