国会や地方自治体の議会の運び方を見ていますと、時間をかけてもしっかり議論する案件と早急に政策をまとめ実効しなければならない案件のメリハリが感じられません。前者が多いとは思いますが、コロナ対策などのように、待ったなしに判断し、進めていかなければならないものもあります。特に、放置しておけば国民の生命が刻々奪われていくような問題に対して、どれだけスピード感を持って、法律を作ったり、政策決定していくことが出来るかが問われるものです。例えば、昨日もありました高齢者の自動車の誤操作運転による悲惨な事故は、ここ数年、大きな問題になっているのに、具体的な対策に至ってはいないのはどうしてでしょうか。政治家は庶民、中には幼い子供も被害にあっていますが、彼らの命をどれほど真剣に守ろうと思っているのでしょうか。このままの状態では、このような悲惨な事故が繰り返されるのは間違いないと思います。確かに、完璧な法律を作るとすれば、それは様々な角度から政策を考えていかなければなりませんので、高齢者の運転を取り巻く実態をきちんと把握していかなければならないのは確かに必要ですが、その分、時間がかかります。そのような抜本的な対策は対策として諦める必要はありませんが、当面、被害者を最小限にする次善の策を早く打たなければならないと思います。高齢者の事故で最も多いケースはブレーキとアクセルの踏み間違いでの急発進、急加速による衝突事故だと思います。そうであれば、例えば、65歳以上の高齢者は、踏み間違いを防止する安全装置がついた自動車でないと運転してはいけないことにすればいいと思います。現在、新車には、ほとんどそのような安全装置がついていますし、そんなに簡単に車を買い替えることが出来ないと言うひとには、後付けの安全装置(今では数万円で装着できるそうです)を装着する為の費用を国が補助すればいいと思います。これだけでも、相当数の事故を防ぐことができると思います。何歳から免許を返納させると言ったようないろいろな意見を議論するのはその後でやったらいいと思います。このような問題は、75歳、80歳、85歳といろいろな意見が出て、また地方と都市部では、ルールを変えたらいいとか、まとめるのに時間がかかるものです。だから、まずは血を止めることを優先し、抜本的な治療はじっくり審議すればいいのです。このような、全体の流れをコントロールするのはやはりリーダーの仕事ですが、リーダーが私が言ったような、広い視野で現実的な複合策を進めようと先導することが必要だと思います。
この例のように、議論をどう運ぶことが国民のために良いかという広い視野で先導するひとがいないと、議会は混乱し時間がどんどん過ぎて行くことになってしまうのです。その間に犠牲者がどんどん増えていくことを議員達はどう思っているのでしょうか。本当は国民の命、財産を守ることが議員全員の共通の目的と認識していれば、もっともっと効率的で生産的な議論ができると思います。