米国のTIME誌が次週号の表紙を故安倍晋三氏とし、記事も掲載されるようです。日本の歴代総理の中でも、これだけ海外から注目されたひとはおられなかったかもしれません。若き安倍氏は大企業勤めを辞め、父親である安倍晋太郎氏の秘書官として政治家の修行をされ、特に父が外務大臣をされていたときの海外歴訪などにも同行されて見分を広げられたと言われています。そういう所から、外交や海外首脳との交流に多くの功績を残されたのではないでしょうか。安倍氏が亡くなられた今、外交面では大きな損失となったと思われます。
一方、祖父の岸信介元総理、その弟の佐藤栄作元総理、父の安倍晋太郎元外務大臣と名門の家系に連なられており、我々一般庶民とはかけ離れた育ち、生活をされて来たのは間違いないと思います。その点が、内政においての政策に現われていて、アベノミクスという経済政策も大企業や富裕層への優遇処置につながり、貧富の格差がさらに広がったと思えます。細かいところでは、アベノマスクのような庶民の実態に沿わない方策を進められたりしていますね。森友、加計問題も、奥様やご自身の脇の甘いとも言える交友関係から出て来た問題でしたが、安倍家との関係に響かないように周りの忖度が働いていたことに対しても、お殿様然とした対応のように思われました。
防衛に関わる憲法改正や開かれたインド太平洋地域の安保、経済構想のような国際問題にリーダーシップを発揮されたことも大きな功績であると思います。このような自身で国を率いるビジョンを構想して、具体化することに長けられていたのですが、一般庶民の感覚を持たれていないように感じられる経済政策、福祉政策は、その点を補い、具申出来る適切なブレーンがいなかったことが悔やまれます。
いずれにせよ、安倍氏の示された成果をさらに発展させる為、そして国民生活に影を落としている経済の問題や様々な疑惑に決着をつける為にも、もうしばらくご活躍していただきたかったと思います。このような形で命を落とされたことは、本人やご家族はもちろんですが、意見を戦わすべき存在の立場のものにも、大きな無念となっています。ただただ安らかにお眠りください。