参議院選挙が終わりました。予想された通り、いい悪いは別にして自民党の圧勝という結果になりました。さて、私がこのブログで大幅な選挙改革をしなければならないと何度も叫んでいることについてもう少しその狙いについて説明させていただきます。

 我々一般庶民から見て、政治、選挙についていまいち身近に感じられないひとつの要因は、「政治とカネ」の問題があると思っています。

 まず政治家になるには選挙に立候補して勝たなければなりません。その選挙に勝つために必要なものが「地盤、看板、かばん」とよく言われます。つまり、組織の後ろ盾、ネームバリュー、資金の三つが鍵であると。その為、今の政治家は、この三つの条件が揃った二世、三世議員、地域の名家出身者、芸能人、スポーツ選手、労組等の大きな団体の出身者が大半を占めています。特に、大臣経験者はほとんどがそのような方達です。

 戦後の総理大臣経験者の中でこれに対して異質な方は田中角栄氏しかおられないのではないでしょうか。彼は幼少期から貧困生活を経験し、学歴もありませんでした。そのようなひとが、総理まで上り詰めたのは、彼の類まれな才能、特に人心掌握術に優れていたことにあるとも言われていますが、それだけでは総理になれなかったと思います。その能力にプラスして彼は金を集めることに長け、それを活かして多数の味方を作っていったのだと思います。政治資金、選挙資金となる金をばらまくことで、政界を支配していったのです。つまり、その当時から選挙にはお金がかかり、それを供給できることでも大きな求心力を持っていたのです。

 彼の目標は、日本全国津々浦々、つまり自身で体験したような貧しい田舎町をも豊かにすることでした。日本列島改造論と言う当時注目された政策を進めることで国民の人気も絶大なものでした。しかし、金を後ろ盾にしなければならない宿命の中に悲劇が隠れていました。ロッキード事件です。彼のような出自のものが一国の長となるには、相当な無理があったのでしょう。

 才能のある政治家がこのように一部悪に手を染めないといけなくなる根本は、政治にカネがかかり過ぎるからだと思います。その中でも、選挙活動に多くの金が必要だからなのです。

 昔は、今のようなドブ板選挙と言われていますような、どれだけの人達と握手して、どれだけの有力者を引き込むかという選挙が普通だったのでしょうが、現代のようにいろいろな技術が発達した社会であれば、候補者自身がそれほどお金をかけないで選挙するのは簡単だと思うのです。
 
 さらに、地盤、看板ですが、これもネット社会と言う、誰でも簡単に自分の考え方や思いを発信し、多くの人々にその名を知らしめることが可能になっていますので、お金のハードルさえ下がれば、簡単に政治活動、選挙活動ができるようになるのです。だからこそ、選挙にお金をかけないように、選挙システムを変革すべきなのです。

 選挙そして政治を、一部の特権階級の人達から取り返し、国民の為の思いを本当に持った一般庶民が参画できるようにしたいと思うのです。

投稿者

弱虫語り部

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