テレビで、アニメの聖地が紹介されていました。自分自身では、それらのアニメを知ってはいませんでしたが、海外も含め多くのファンが生まれているようです。二十年くらい前から、それらのアニメは、日本の実在の街を舞台にしているものが主流になっていて、その地方、街を訪れれば、アニメの画面で見た風景、街並みが実際に観ることができるのです。と言うことで、アニメファンがアニメの舞台となった街を聖地として訪れ、併せてその町の観光、街歩き、探訪をするようになって、街も新たな観光資源として捉え、アニメファンと共生していく姿があたこちに見られるようになっています。数十億円の経済効果が出ている街も少なからずあるようです。
確かに、日本のアニメや漫画は海外でも多くの国に拡がり、多くのファンをつかんでいるとも聞いていました。それらに心酔し、日本に興味を持ち、日本語や日本の文化を勉強したり、日本を訪れた外国人も多くおられるそうです。日本の漫画作品のクオリティやアニメーション技術の高さは相当なもののようで、海外の評価も高く、外貨を稼げるビジネスとしても拡大を続けているのです。
一方、日本はかつては、工業製品の品質の高さなどで欧米からその地位を奪い、世界をリードしていましたが、今は韓国、台湾、中国にその座を奪われ、経済の衰退が叫ばれて久しい状態です。しかし、今や米国はGoogle、Amazon、Facebookのような新しいビジネスコンテンツの創出企業を生んで、巨大な経済効果を成し遂げていますが、日本はGDPも伸び悩み、国民の平均収入も先進国の中では唯一停滞している国となってしまっています。
この状態を脱するには、日本の強みを活かした経済戦略を構築しないといけないと思いますが、もしかしたら、アニメや漫画やゲームソフトと言う、日本が独自に築いて来たアミューズメント産業を活用した戦略を考えられるのではないでしょうか。コロナ前に、政府は海外からの観光客の増加を画策していましたが、最初に述べた全国にあるアニメの聖地なども国として活用することも考え、日本のアミューズメントソフト産業の海外展開とそれらの聖地の活用による新しい観光産業の立ち上げを二本柱に、国家レベルで振興するのが必要だと思います。
これに近いアイディアも聞いたことはありますが、全体を統合した戦略的な企画を構築するような明確な実行機関を設立し、そこに日本の専門家を結集するように徹底的な、そして早期な実践が望まれます。実行が遅れたり、中途半端では、また中国などに一番美味しい果実をとっていかれるからです。