政治家と旧統一教会との関係が問題になってかなり経過しますが、その中でも、自民党の歯切れの悪さが際立っているようです。内閣改造についても、関係無いとはっきりしている議員だけでは組閣できない実態が明らかになりました。そこで、もし過去に関係があっても、今後は関係を断つと完全な決別宣言でも出すのではと思っていたのですが、そのようなはっきりした態度も見えないのは、やはりかなり根深い関係だと言うことが判ります。

 関係が露見した議員達は一部を除き、声をそろえるように旧統一教会の関係団体と知らなくて、会費を払った、祝電を送った、パーティー、会合に出席した、取材を受けたと釈明しています。しかし、それが本当だとしたら、脇が甘すぎて、そのような危機管理の出来ない議員が日本の政治を担うことに不安を感じます。私の推察ですが、一部の新人議員を除いて、さすがにそのようなことは無いのではと思います。つまり、選挙に旧統一教会を利用することは、関係者間での公然の秘密であったのではと思います。自民党として、旧統一教会は都合のいい、利用価値のある組織だったのではないでしょうか。

 これまでに明らかになった状況証拠に対して、ある程度辻褄の合う話をあくまで個人的な推論として以下に組み立ててみました。

 故安倍元総理の祖父である岸元総理が日本の政治の中枢にいた頃、ソ連、東欧、中国、北朝鮮などの共産主義を標榜する陣営に対しての脅威に晒されていた西側諸国にあって、日本は安全保障など多くの難問を抱えていました。その頃、旧統一教会の創設者が反共産主義を掲げて、日本の黒幕を通じて岸元総理にコンタクトして来て、結果、勝共連合という団体が設立されました。勝共連合が核となり、旧統一教会と自民党の絆が形成されていったのでした。その後、旧統一教会は霊感商法などの問題が発覚し、自民党は表立ってはその関係を現わしては来なかったですが、選挙協力と旧統一教会の幹部などに対する捜査への圧力、団体名称変更への圧力などで、密かにギブアンドテイクの関係が続いていました。特に、選挙では、運動員の手当、接戦が予想される議員への票の取りまとめは、自民党の選挙戦において公然の秘密として続いていたのでした。

 と言う歴史があったので、反社会的な組織として名を知れた旧統一教会とは組織的に縁を切れずに現在まで来てしまったということではないでしょうか。ですから、多くの議員が警戒心も無く、いろいろな関係を持っていても平気でここまで過ごして来ることが出来たのでしょう。

 今回、ここまで事が明らかになったのですから、この関係を完全に清算するチャンスだと思います。もし、それが出来ないのであれば、政権政党の座からは退場してもらわないといけませんが、今の自民党は政権を維持することが最大の目的なのですから、なんとかすると思います。もし、しないのであれば、個々の議員の選挙の当選が一番で、日本の政治を担うことなんて、まやかしだという事が明らかになるでしょぅ。