核不拡散条約(NPT)の再検討会議が最終文書を採択できずに終わりました。やはり、ロシアが最終案に合意できずに、文言の大幅な修正や追加を要求して最後まで譲らなかったのです。誰が考えても核兵器を使用することで世界規模の破壊につながることは明確ですので、核兵器の廃絶こそが目指すべきゴールであることは間違いない筈でありますが、そこに辿り着くプロセスが、核保有国の思惑が交錯して、なかなか実現できそうにないと思われます。

 有史以来、世界各地で武力での権力闘争が続いて来ました。未だに、話し合いでの紛争解決より、武力によって敵をねじ伏せることが最良の方法だと信じている権力者が多数存在するのが理解出来ません。そのような考え方のものにとって、敵より強い武力を持つことが重要なのでしょう。それが地球の滅亡につながったとしても、その考えを変えようとしないのです。

 そのような者達が一国の指導者として君臨していることが現実なのです。本来、人の上に立つものは人民の安全、生活を維持向上させることに努めなければなりませんが、まずそのような使命感は全く感じられません。自分本位で独善的な理屈に固執するような人間がどうして国のトップや幹部に君臨できるのでしょうか。我々人民もそのような人間をどうして支持しているのでしょうか。

 人間というもの、自分に火の粉がかからないと目が覚めない生き物なのでしょうか。核兵器の場合、そのような悠長なことを言っていられません、火の粉が降り注がれたときには、己の体も消滅してしまうかもしれないからです。世界のどこにいてもその危険性から逃れることは難しい状況なのに、今回の会議のように問題を先送りしてしまうのは本当に危機的な状況です。次回開催は2026年だそうですが、本当に人類存亡の危機だと共有化して、合意できるまで会議を続けるべき緊急で重要な問題だと思います。

投稿者

弱虫語り部

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