故安倍元総理の国葬問題でいろいろな意見が飛び交っています。反対の署名もかなりの数で提出されたり、マスコミのアンケートでも、反対が賛成をかなり上回っているようです。それに対して、これまで聞く耳を持っていることが特徴だと言われていた岸田総理も、この多くの国民の声に対して、具体的に納得できる説明をされていないことが大きな混乱につながっていると思います。国民の声で、葬儀に莫大な費用をかけることへの批判があるであろう点に対して、当初、警備を除き2億5千万円だとかなり低い数字しか示さなかったことにも批判が殺到しましたので、警備費用8億円、海外要人の接遇費6億円などを加えて、16億5千万円程度がかかると再度発表しました。この過程を見ますと、少しでも経費を安く見せて、国民の非難をかわそうとしたのだと思えます。国民の多くが訴えているのは、費用の高い低いではなく、ある程度の税金をかけても国葬とする意味が理解できないという点にあると思います。その点をはっきりさせて、それに対して国民が納得出来れば、その目的に対して最低限の費用をかけると言えば、ほとんどのひとは理解を示すと思います。

 本来の国葬は、国民の大多数が、故人の貢献の高さに鑑み、是非に国葬にすべきと言う場合に行われるのが妥当だと思いますが、これだけ多くの人が反対を唱えている以上、その論理は成り立ちません。それなら岸田総理以下政府は何の為に国葬にするのかと言うことをはっきり国民に示すべきです。多分、国葬を実施すれば、海外要人も多数参列し、それで外交的なコミュニケーションに役立つ、そこで立派な儀式を示せれば、日本の国威発揚にも役立つ、つまり国益に適うのですと思っているのではないでしょうか。そのような高度な政治判断を下々の国民に説明しても判る訳はないとでも思っているのではないでしょうか。麻生副総裁が国葬への強硬派と言われていますが、彼は「理屈じゃない」とそれこそ、自分が正しいから、みんなは黙って言うことを聞けというような態度です。彼は財閥の跡取りとして生まれ、政治家としても総理まで経験した人ですが、その驕った態度、言動には、国民の気持ちを少しも理解していないボンボンとしか見えません。

 今回の問題は、政府が国民から信頼を得られるかどうかのいいチャンスだと思います。岸田総理自ら、この国葬が国益に適うものであることを信念をもって熱く説明し、それで国民の理解を得ることが重要です。それが出来ないのであれば、さらに国民を納得させることも出来ないのであれば、その程度の器の政治家であると思ってもいいと思います。確かに、どのように真面目に説明しても批判するひとは出るでしょう。しかし、良心ある、賢明な国民だって、きっと少なからず存在すると思います。

 総理が国民の良識を信じなくて、国民の理解を得られる訳はありません。もっと国民を信じてください。

投稿者

弱虫語り部

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