英国のエリザベス女王が死去されました。英国は、スペイン、ポルトガルが航海技術の発展を背景にアメリカ大陸など大海原を超えた地まで到達し勢力を拡張した後、それに続きさらに栄華を極めた国でした。現代に至っても、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなど十数ヶ国がエリザベス女王を元首として位置付けていました。欧州の大国は、アメリカ大陸、アフリカ大陸、インド、東南アジア、オセアニア、太平洋諸島世界各地を侵略し、多くの植民地を獲得して来たのです。
世界では、このような強い軍事技術を持った国々が、軍事技術の劣った国々を植民地化して行った歴史があります。植民地化された国にあった農作物、地下資源などの有用物や現地人の労働力を獲得して、本国の富裕化に利用して来ました。しかし、第二次世界大戦後の民主主義、自由主義への流れの中で、列強各国の支配が弱くなり、独立国として再出発を遂げる元植民地の国が大半を占めることになったのです。
この流れから、かつては人類の争いは国レベルでの富の奪い合いにあったのが明確となっています。そして、その流れが完全に断たれた訳ではありません。ロシアのウクライナ侵攻にしても、中国の台湾問題にしても、結局、覇権争いであり、その解決策として、軍事力の行使がキイになっているのです。
エリザベス女王は第二次世界大戦後暫くして、王位に就かれました。ちょうど英国が世界的大国から一民主主義国家として新しく生まれ変わって行く時代を過ごされて来ました。最後の植民地が香港だったのですが、それを中国に返還しました。香港の市民の多くは、中国という共産党一党支配の国より、英国の植民地だった頃の方が良かったというのも皮肉な現実だったと思います。このような事態を見ていますと、庶民にとっては民主主義がやはり最善のような気がします。逆に、国家として覇権争いをするには、独裁政権が強いということでしょう。英国がいち早く民主主義を取り入れてから、多くの植民地を失って行ったことからもそう思います。そうであっても、私は民主主義を支持したいです。いくら国が強くなっても、潤うのは権力中枢にいる人達や富裕層だけなのです。彼らの為に、戦争をさせられ、悲惨な目に合うのは一般国民なのです。だから、世界を支配していた国から、支配地を全て失っても民主主義を獲得した英国は素晴らしいと思います。それを認めた英国王室だから、エリザベス女王がこんなにも慕われて来たのですね。合掌!!!