プーチン大統領が30万人の予備役に対する動員令に署名したと報じられました。これ以降、ウクライナ侵攻と動員令への反対のデモがロシアの各地で勃発しています。さらに、ビザ無しで直ぐに入国できるアルメニア、カザフスタンなどの旧ソ連諸国やトルコなどへ脱出する人々で、それらの国々への航空便が満席になっているようです。
これらの人々は、プーチンの為に死にたくないと言うのが本音のようです。プーチン大統領が一方的に戦争(ロシア政府は特別軍事行動と称している)を始めた訳ですので、戦争を止めることもプーチン大統領の意のままになると思いますし、今回のように戦争を拡大するのも意のままになっています。つまり、プーチン大統領の意のままにロシアの国民を戦争に送り込み、命をかけさせることが出来ることに、国外に脱出された人々や反対デモに参加している人々が、この戦争が何の為にあるのかを、自分に火の粉が降りかかって来たことで認識したのではないでしょうか。これまでは、ウクライナと言う他国で行われているドンバス地方の親ロシア住民の解放の為の戦闘であると、ある意味他人事であった事から、招集され、命のやりとりをしないといけないことになりそうになり、足元に火がついたことで、この戦争の愚かさに気が付いたのだと思います。ウクライナの国民は自国を侵略され、自分の愛する家族や家、土地を失うという危機に対抗する為に命を懸けて戦うというモチベーションがあると思いますが、ロシアの国民には、そんな思いを持つことは出来ません。自分達のリーダーである大統領が一方的に押し付けて来た戦争でしかありません。そのような身になって考えれば、命を懸けるべき戦争であるのか、そうでないのかははっきりと理解できたのではないでしょうか。
以前のブログにも述べましたが、プーチン大統領を止めることが出来る大きな力は、国民の多くがこのような振る舞いをするプーチン大統領を支持しないことだと思います。ロシア政府はこれまでウクライナで亡くなった多くのロシア兵の真実を必死に隠そうとして来たのですが、今回の動員令がきっかけで多くの国民がプーチンの欲望の為に多くのロシア人が命を落とし、そして今後さらに多くの命を危機に陥れようとしていることを理解する可能性か高いと思います。この流れがプーチン政権を潰すことを期待したいと思います。但し、そのようなプーチンにとっては最悪な流れで、正常な意識を無くし、核兵器を使用すると言う暴挙に出ることが大きな危機感となって来ます。そのことが第三次世界大戦、それも核戦争と言う大変な悲劇につながる可能性がある訳ですので、プーチン大統領が大国のリーダーとしての正常な判断を失わないことを祈るしかありません。