文化の日には、恒例の文化勲章の授与が、内閣総理大臣の手を経て、天皇陛下から為されました。歌舞伎役者の松本白鷗氏は、三代続いての受賞に感激されていると述べておられました。私には、歌舞伎役者の貢献度を計れるほどの見識はありませんが、何となく大名跡を継がれた方が受勲されているように感じます。歌舞伎役者は血統で継げる名跡が決まっています。中には、歌舞伎の家系以外から歌舞伎役者になられて、長く務められている方もいますし、大名跡ではない家系で長く演じられている方も多くおられると思います。そういう方達の中にも、演技の素晴らしい人はおられても、なかなか文化勲章やましては人間国宝は出て来ないと思います。結局、このレベルになると、単なる権威主義と言うか、公正な判断能力を持ってはいないのでしょう。
その他の受勲でも、大臣、議長を何期務めたか、大企業の社長を何年務めたか、有名大学の学長、学部長、名誉教授であったかとか、その人の実力、功績より、定型的な不文律で決まっているようです。
受勲した人の中には、単なる結果論として冷静に受け止めている人もいれば、受勲にやっきになって後半生を過ごすひともいます。後者の方は、長年かかっても結局自分自身の幸せの物差しを得られずに、他人が決めた評価を得ることで自己満足するタイプの人が多いと思います。それはそれで、何となく寂しい気持ちがするのは勲章など、はなから縁の無い庶民だからでしょうか。
このブログの主旨から申しますと、権威や名誉など他人が決めることに依存したり、影響されたりすれば、本当の幸福感を得られないと思うのです。それは国家のもっとも権威ある受勲でも同じことなのです。だからこそ、自分自身の幸福の物差しを是非、見つけてください。