法務大臣が失言問題で辞任しました。大臣、閣僚が失言の責任をとって、更迭されたり、辞任したりする事があまりに多いので、呆れた口が塞がらない感じです。

 大臣とは国民の代表として政権を引っ張って行く重要なポストだと思うのですが、あまりに不用意で無神経で無知な発言を連発しているのはどうしてでしょうか。

 いろいろな要因が考えられますが、大臣としての本分を自覚していないこと、そもそもそのポストに要求される能力、経験を有していないこと、周りから持ち上げられ自分は偉いと錯覚して驕ってしまうこと、などが主因のように思います。

 どの要因にも関係しますが、大臣の職務、職責を理解していないということが多いと思います。自分の担当する省庁の置かれている状況、課題などを本当に理解しているのか、もしかしたら理解しようとすらしていないことも考えられます。何期も国会議員を務めて来た議員にとって、大臣ポストに就くということが、大きな目標となっていて、大臣に就任することでゴールだと認識する人もいると思います。そういう大臣は、国会の答弁で判ります。役人の作成した答弁原稿を棒読みにし、さらなる予定以外の質問には、恥ずかしげも無く珍回答を答えてしまうのです。そういう大臣は、今回の法務大臣のように、内輪の会合では本音をポロリと発言してしまうのです。勉強不足、無知、驕りの極まったような状態なのです。

 そもそも総理大臣は本来は現在抱えている各々の省庁の課題解決に最も適した人材を選択するのが理想ですが、現実は、派閥のバランスや将来の総裁選への影響、ベテラン議員への論功行賞(と言うよりは、勤続褒賞の方が近いかもしれません)、自身の地位固めなどと言った非常に生臭い要因を加味して選択されているようです。つまり、総理がその地位、政権を維持することが主体となっているのです。ですから政策的な実務になるとボロが出る議員が続出しますし、大臣自身も専門性を有していない場合は神輿に担がれているのが仕事と勘違いした末に、油断したときに失言を漏らしてしまうのです。

 残念ながら、国民の安全や生活を一番にと言いながら、実態は、権力闘争、つまり権力と地位を握ることが優先されているので、このような状態が続くのです。国民の為に少しでも貢献するように政策の議論をどんどんやるのは議員の本分ですが、それを横に置いて、権力闘争に明け暮れていては、どんどん国を衰退させるということに目覚めて、本分をわきまえた意味のある激しい議論を政治の世界で成し遂げるべきです。異なる意見を持ってはいても、国民の為の仕事をする点については、議員全体で一致できる筈ですので、是非そのことを肝に銘じて欲しいと思います。

投稿者

弱虫語り部

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