新型コロナウィルスの新規感染者数の増加が顕著になって来ました。第七波が完全に沈静化する前に、第八波と思われる増加が押し寄せて来たようです。第七波でオミクロン株が中心となって来てからは、感染者の数をそれほど問題とせず、重症者数、そのベッド使用率を指標に対応策が図られるように移行してかなり経過しました。オミクロン株の重症化率の低さ、休業要請などに対する補償金の財源不足、そろそろ経済を回さないと国民の生活が成り立たなくなって来たことなどで、ウイズコロナ政策がメインとなったのでしょう。

 一方、ウイズコロナ政策とするなら、新型コロナウイルスの位置づけを明確にする方が、政府、役所、国民もメリハリのある行動をしやすくなるとの声も多く聞こえて来ます。感染症は新型コロナウイルス以外にインフルエンザウィルスを筆頭に多くの種類が存在します。絶滅宣言をした天然痘ウィルスのように既に何の対応も行っていないケースもありますが、ほとんどは、ワクチンや治療薬で対応がとれているケースが大半です。そう言う意味では、新型コロナウィルスは決定的な治療薬が発明されていないと言う点で、インフルエンザ等と同様には出来ないと言う意見も多くあります。しかし、いつまでも中途半端な対応でお茶を濁していては、ただでさえ電力等のユーティリティや原材料の高騰で疲弊している国民の健康と生活を守ることはできないとも言えます。

 これまでも、専門家の認識、提案をベースに内閣が緊急的な対策を示して来た訳ではありますが、そろそろ国会での法的政策を決定するべき時期なのではないかと思います。それには、新型コロナウィルスと共存することを前提に、どこまで国民の命を守り、どこまで国民の経済的な活動を守るという前提イメージを想定して、それに叶う為の政策を実行する為には、どのような法律を改訂したり、作ったりするかを考えなくてはならないのです。そのような活動は、新型コロナウィルスが世に出て以来三年近く経過しているのですから、水面下でかなり検討が進められているのが当然だと思うのですが、どうもそのような気配が感じられないのは、私の感度が鈍いせいでしょうか。それとも、意図的に表面化するのを避けているからでしょうか。しかし、国会での審議となると時間はかかるものですから、早めに議論の遡上に乗せていてもいいと思います。もちろん、断片的や、場当たり的には国会での討議が為されていますが、包括的、総合的な議論に収束させていくには、分かり易い全体シナリオが示された上での各論の審議となるべきと思います。本来であれば、総理か新型コロナウィルス担当大臣クラスが全てを俯瞰し、国民にどうしたいかと言うシナリオを説明しつつ、その理解の下に国会での審議を進めていくべきですが、どうも我々国民は将来への不安感を払拭出来ずに、日常生活や経済活動を苦労しながら悪戦苦闘しているばかりではありませんか。

 これほど複雑な状況の中で全体感をつかみ、進路を定めるということはかなり高度な能力が必要でしょうが、今の政治家や高級官僚の中に、そのような人材が存在していることを期待したいと思います。もし、存在していないと言うのであれば、やはり現在の選挙や教育の仕組みに大きな問題があるのだと思います。

投稿者

弱虫語り部

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