また高齢者が起こした自動車事故で人の命が失われてしまいました。運転者は97歳で、一昨年の免許書き換え時には認知機能に問題が無かったということでした。さらに、これまで事故を起こしたことも無く、公的交通機関が不便な地方で車を手放せなかったし、周りの人達も運転を止めろとか、免許返納しろとか言えなかったと言うことでした。しかし、事故は起こってしまいました。
この現実に目を背けていれば、さらにこのような悲劇が繰り返されることは間違いありません。政府や自治体の幹部は人命が第一ですと口では言ってはいますが、行動が伴っていません。
確かに、地方での高齢者の移動手段の問題、高齢者の免許更新の在り方の問題、更新時の運転能力判定の問題、高齢者運転のリスクに対応した安全装置普及の問題など、多岐に渡っています。抜本的な解決には時間もお金もかかるかもしれませんが、今すぐにでもやれることはあると思います。ほとんどの事故は、アクセルとブレーキの踏み間違いや反対車線での走行です。踏み間違いや前面衝突に対しては、防止装置が既に存在しています。最近の新車にはほとんど搭載されていると思いますが、すべての車が買い替えられるのを待っていては時間が経つばかりなので、例えば60歳以上の人が運転する車には、国から補助金を出して、強制的に安全装置をつけさせることだと思います。特にペタル踏み間違い防止装置は、そんなに高額でもありませんので、新型コロナウィルスへの補助に比べれば何とかできるものだと思います。コロナ弱者の高齢者の命も大切ですが、高齢者の引き起こす交通事故で犠牲になる幼い命、若い命を救うことも、待ったなしでやらなければならないと思います。
このような危機感が、今の政治家や官僚にあるのでしょうか。彼らが躊躇したり、様子見をしている間に、引き続き尊い命が危険にさらされてしまうのです。