これまで、政府、自治体や企業、その他団体のトップが、その組織の命運の鍵を握っていることはお話させていただきました。つまり、その組織全体の為に尽くす人材をトップに選ぶことが重要なのです。しかし、ほとんどの場合、一部の権力を握るひとが密室でトップや幹部を選んでいるのが実情です。これだと、問題にしているような個人や一部の利益を重要視するトップがいたとしたら、その後継者も同じようなタイプが選ばれる傾向にあり、なかなか末端まで心配りできるような組織にはなりません。これまでは、このような形でトップが選ばれて来たので、私がこのプログで扱ってきたような問題が度々生じることになるのです。権力は非常に強いもので、多くの人の生活、人生に影響するものなのです。だからこそ、この権力を握る人々は、非常に厳しく自分自身を律しないといけないのですが、それが出来るひとが多くいる訳でもありません。だからこそ、慎重にトップを選ばなければならないのです。どんな人でも、口先では、組織の為、そこに所属している人々の為に精一杯尽くすということを言いますが、本心は、己の利益を一番に考えて行動するのです。このことを見破るのは非常に難しいのですが、それを前提に「トップの選び方」を考えて行きたいと思います。今回は、重要な二点を提案したいと思います。
五年以内の任期を設定し、任期の延長は認めない。
 権力が長く同じ人の手の中にあると、必ず腐敗が生じる。確かに、企業トップに長期的な観点が薄れるという懸念もあるが、真の経営センスのあるものであれば、常に長期中期短期の視点で施策を講じるものであり、そのような言い訳はトップの資質の無いものの逃げ口上である。
組織全員の投票で選ぶ。
 議員以外では難しかった方法ではあるが、ITが発達したことで可能になる。例えば、私企業でも、末端の従業員も参加できることが重要である。例え選挙であっても一部の人達で選択することでは、密室と変わらない状態が生まれるから、多くのひとが選挙に参画することが大切である。但し、商法上、株式会社であれば、取締役は株主が選ぶのがルールであるので、業務の執行と取締の分離が必要で、従業員が選ぶのは業務執行のトップとなる。執行役を取締役が監督することで本来の狙いのように権力の暴走を防ぐことができる。しかし、未だ、実質このような体制になっている企業は少なく、形式としてはそうしている企業はあっても、執行役の幹部が取締役を兼務していることが多いのが実情です。

  

投稿者

弱虫語り部

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