テレビで、北米で行われた世界的なマジックの大会が放送されていました。内容は素晴らしく、不思議な現象が次々と行われていたのですが、どうしてそうなっているのか、どこかにタネがあると分かっていても、素人には皆目見当がつきません。ひと昔前のマジックであれば、何となくタネが分かるような気がしていましたが、今のものは、想像すら出来ません。多分、鍛え抜かれた技術と最新の科学技術が融合されているのだろうと思います。
目の前で、ここまで不思議なことを実現させられても全然見抜けないのですから、自分の目は全くあてにならないと言っても過言ではありません。目の前の事ですらこうですから、映像になったものはどんな不思議な演出も可能なのでしょう。
今の世の中には、フェイクが溢れているのですが、それを見分けることが非常に難しくなって来ていると言っていいでしょう。政治の世界でも、ビジネスの世界でも、詐欺の世界でも、人を騙すことなど簡単なことになりつつあるのです。人間の肉体の能力はほとんど進化していませんが、一方、科学技術、テクニック、道具、心理学、人間工学などは日進月歩の進歩があるのですから、とても自分自身の目だけに頼っていては、いろいろな事で騙されてしまうと思います。ここまで来ましたら、自分自身で見たことも一度は疑う姿勢が必要になって来るのです。そして、これまでの経緯を吟味し、溢れている情報から関連のものを抽出し、今目の前で起こっていることがどこか矛盾点や危険性がないかを総合的に判断し、もしこれが嘘であったら、それを信じてしまって起こることはどういうことかを想像してみることが重要なのです。そのように考えを巡らせていけば、その中に真実の尻尾が見えて来るかもしれません。
マジックは人を騙すことで成り立っていますが、それで人々を楽しませるのですから、問題ありません。しかし、生活の中では、嘘やインチキと言うことを隠して、人を信じ込ませて、他人から搾取したり、困難に落とし込んだりする輩も多数います。自分の富や権力などを勝ち取る為に嘘をつきまくる政治家も多数存在するのです。
自分の目が見たからと言って、それだけで決して信じてはいけません。くれぐれも。