アベノマスクの不良在庫について保管費用、廃棄の費用などの問題がニュースを賑わしています。もともと当時のマスク不足の解消を狙った方策だったと思いますが、そのマスクのデザイン(主に大きさ)が実用的でないということ、不良品が多く混ざっていたというような問題で、せっかく大金を注ぎ込んだのに、あまり活用されずに、その内にマスク不足が解消されてしまい、うやむやになっていたと思います。また、布マスクの性能が疑問視されて、国民の多くは不織布マスクを使用するようになり益々使い道が無くなった結果、長期間保管されていたと言うことでしょうか。一連の騒動に、アベノマスクは大いなる愚策とも評されていますし、そうではなかったと評価するひともいると思いますが、私の懸念する点は、次の二点です。ひとつは、国民に配るのなら、国民が使用したくないというデザインのものに何故、誰が決めたのかという点と、もう一点は、不良品が多く混ざっていて、それらの検査、作り直しに多額の費用がかかったという点です。一般の国民の顔にある程度マッチしたものであったなら、あの当時なら例え布マスクでも重宝して使用したのではなかったのではないでしょうか(当時、私も布マスクを洗濯して繰り返し使用していましたが、アベノマスクは小さ過ぎて、口をきちんとガードできなさそうで使用しませんでした)。アベノマスクを発注するときにきちんと契約の中に仕様が定められていたのなら、不良品が納入されたら、製造元が、検査も代替品の費用も負担するのが一般的な商取引では常識だと思うのですが、どうして国が税金で負担しなければならないのか理解できません。うがった見方をすれば、役人が発注するとき、製造メーカーまたは中継ぎ業者に、国が責任をとるから、無理を言って急がし作らせたとしか思えません。もっとうがった見方をすれば、このプロジェクトで大きく儲けたプローカーがいて、政治家、もしくは役人にも儲けの一部が還流していて、業者に強く言えないような構図になっていたというようなおぞましい想像もできます。
この問題、誰かが言われていたように、その当時の状況から、布マスクを配布することには意味があったから、責任を追及すべきでないという話もわかりますが、私は、前述したような点に疑義があります、この点については、きちんと疑義を晴らしていただきたいと思いますし、責任の所在をはっきりしていただきたいと思います。
どうも政治家、役人の関与した最近の問題、例えば公文書改ざん、オリンピック費用の異常な増大や今回のアベノマスクの問題に絡む税金の無駄使いなど、いずれも、うやむやにされていると思います。私企業であれば、これだけの問題であれば、責任の所在が明らかにされ、責任をとらされるのはあたり前であると思うのです。きちんと責任をとらせないと、また将来も軽い気持ちで税金の無駄遣いなどが行われていくのが恐ろしいと思います。