新聞の広告で、中高一貫進学校の麻布と開成の両校長先生の対談が掲載されていました。内容に、教育の重要な役割を、歴史や文学、芸術や科学などの知の財産を次世代に受け継いで行くこととありました。また、生徒個々の才能を伸ばすことや知識の取得や計算練習を含め、各教科の基礎をしっかり勉強し、身につけることなども重要であると述べられていました。言われていることは間違っていませんが、私が違和感を感じましたのは、教育が学問の修得と言う面でほとんど語られていることでした。
私も「新ハルモニア主義」で教育の重要性を述べています。前述した両校長が主張されていたことももちろん重要だとは思いますが、それ以上に大事なことは、ひとの生き方、特に幸せになる為の生き方を学ぶことだと思っています。その上に、基礎知識の修得、社会を構成する様々な職業への知識と、個々人のそれらへの適性探索とその才能を伸ばす為の具体的方法へと導いていかなければなりません。現在の学校で学ぶ科目はあくまでも人に必要な知識の一部でしかありません。大学進学が目的となる勉強はすべての人に意味がある訳ではないのですが、教育者と言われる人達は、その範囲でしかものを見ないようです。
現在の教育システムは明治時代から続く、政治家、高級官僚を中心とした為政者を選別するシステムなのです。ほとんどの人は農民、商人、職人、主婦などとして徒弟制度で育成すれば良かったのです。これは天皇を頂点とした帝国主義としては合理的だったかもしれませんが、現在の自由主義、民主主義の人権主義の時代には全く適していません。それなのに、現在の教育者達は、エリート育成しか見えていないのです。
教育を推進する教育委員会も、高級官僚や学校の幹部、御用識者で構成されているのであれば、抜本的な改革は期待できないのです。
この世界を平和で一人一人の人権を尊重し、多くの人達が幸せな人生をおくれるように変える為の一番大切なことは、教育だと思っています。だからこそ、旧態依然とした現在の教育システムは、大改革が必要なのです。
このような観点から、教育についてのこれまでのブログをもう一度見直していただければと思います。また、これからも教育についていろいろと述べていきたいと思います。