第2次安倍政権で、「アベノミクス」として、三本の矢で経済再生を目指しましたが、結果として、賃金は上がらず、労働生産性も先進国の中では低いままで、未だに日本経済は低迷期を脱せずにいます。敢えて成果と言えば、有効求人倍率が1.6倍に増え、株価は2倍以上になり、大企業の業績は好調に推移して来たことでしょうか。しかし、求められる職種とそれに対応する人材にミスマッチがあり、株価も日銀による買い入れが続く官製主導の相場となっており、大企業も不透明な将来に怯え、設備投資、人件費も抑えていて、実質的に経済成長に寄与しているとは言い難いのが実情です。
このようにアベノミクスと言う策で効果が得られなかったのは、安倍政権が、大企業、富裕層しか見ていなかったのか、経済の実体をきちんと理解していなかったからだろうと思います。
基本的には、安倍政権も菅政権も岸田政権にも共通的なのは、偏った政権寄りの御用学者や専門家の意見をベースに具体策を構築して来たからだと思います。本来は実態経済に対する多くの国民の声を把握し、そこと専門家の意見を両睨みで政策を決定していかなければなりませんが、官僚がまとめた情報、政策案を鵜呑みにして、政策を決定してしまうからこのような事が起こってしまうのです。うがった見方をすれば、大企業、富裕層にプラスになればそれでいいと鼻を括っているのが真実かもしれません。言い換えれば、大多数の一般国民の声などきちんと聞くつもりはなかったのではありませんか。そうであれば、故安倍氏にしろ、菅氏にしろ、岸田氏にしろ、彼らの言動、行動が腑に落ちます。日本を取り戻す、アベノミクス、三本の矢、一億総活躍、自助・共助・公助、そして絆、仕事師内閣、国民のための働く内閣、公正でやさしい、分断から協調へ、異次元の少子化対策など、彼らのスローガンや行動指針は、言葉だけは凄いかもしれませんが、実体が伴っていない空しい言葉の羅列となっているのではないでしょうか。
国民が求めているのは、言葉遊びではなく、一般国民への実のある具体策です。