性的マイノリティに対する差別発言により首相秘書官が更迭されました。政治家や政府の関係者の発言問題は全く後を絶つことはありません。以前のブログで差別と偏見について述べさせてもらいました。その中でも触れていましたように、個々の人間はいろいろな考え方、嗜好があるのは当然なのですが、自分自身の考え方や好き嫌いを正しいものとして、他人を批判したり、排除したりするのは、人間の多様性を理解していないからだと思います。自分が逆の立場であったなら、それはどんなに辛いことか想像も出来ない人の偏向的思いでしかないのだと思います。

 人間間に争いが生じるのは、他人の考えを理解出来ない、理解しようとしないことから始まります。自分の考えが絶対正しいと信じている人にとって、自分と異なった考えの人は批判、差別の対象でしかないのです。今回の問題も、本人がそのような考えの人であるから、例えオフレコ取材とは言え、自分の思いをストレートに伝えただけなのでしょう。しかし、自分の考え方がいかに自分勝手なものであるかを、問題が大きくなるまで、多分気が付いていなかったのだと思います。この方は、総理の演説を執筆したり、メディア対応を担当していたそうですが、多分、能吏であり、事務処理能力に長けておられたのではと思いますが、他人の弱みや痛みを理解し、弱者に寄り添うことなど考えも出来ない人だったのだと思います。

 政治家や官僚には、そのような一見優秀ではあるが、人間とした賢明性をあまり持ち合わせない人が少なからずおられると思います。だから、庶民や弱者の立場になって考えられずに、実効の上がらない法律や政策を作ってしまうのだと思います。ひどい場合は、本音の部分では弱者などはどうなっても良い、自分達、選ばれし特権階級が恵まれればいいと思っているのでしょう。

 今の政治家の選び方も官僚の選び方も、そのような間違ったエリート意識を持った受験秀才が勝ち残るようなシステムになっているので、ここから変革していかないといけないのです。さらに岸田総理もそうなのかもしれませんが、人の上に立つリーダーは、人を見る目がなければなりませんが、そうでないリーダーは、自分の言う事をよく聞き、仕事をさばくことが上手ければ、本来、国民に奉仕すべき職務にこのような人材を重用してしまうのです。

 要は、リーダーを選ぶ問題、政治家や官僚を選ぶ問題、そしてそのような人材を育てる教育の問題、すべてに渡って日本の今のシステムは問題があるのです。