中国の監視用とみられる気球が米国本土の上空を飛行し、米国戦闘機により撃墜された事件で、米中関係に緊張が高まっています。元々、両国は貿易摩擦や台湾の問題で緊迫が続いていて、ブリンケン国務長官の訪中で対話の動きもありましたが、これも延期されることになりました。前後して、米CIA長官が、中国の習近平国家主席が2027年までに台湾侵攻を成功させる準備を整えるように軍に指示を出したと、言及しました。
ロシアのウクライナ侵攻でもそうなのですが、どんな理由を強弁したとしても、軍事的に平和な状態の他国を侵略することの罪深さは相当なことであると思います。
歴史的に、権力者が武力で他国や他民族を攻めることが繰り返されて来ました。これにより人類の大多数が悲惨な状況に突き落とされることになったのです。人類はこのような悲劇を食い止める為に、様々な試みを進めて来ました。それにより、国家間の問題を武力を用いないで解決しようとする国際的な取り組みがいろいろと具現化されて来たのですが、ロシアや中国の例を見ますと、まだまだ世界的な平和構造が構築されるのは遠い未来のことと思わずにはいられません。
一方、トルコとシリアの国境付近で大地震が起こり、多くの犠牲者が出た模様で、今現在も、崩壊した建物等に埋もれている人達の救出が進められています。これに対し、各国が即座に救援隊を派遣し、救援物資を送っています。このような自然災害による被害者の救済と戦争による破壊活動との対比があまりにも極端で、人間というものが本当に分からなくなります。
これだけの助け合いの心があれば、武力を使わなくとも話し合いで解決できると思うのです。科学技術がこれだけ発達したとしても、国境などと関係無く起こる、地震や火山噴火、異常気象などによる災害や感染症などによる疫禍を完全に防ぐことが出来ませんが、人類は国境を越えて助け合うことで、少しでもこの被害を最少に食い止めようとすることだけでも精一杯のはずなのです。それなのに、人類自ら破壊活動をするなどと言うことは、非常に馬鹿げたことであると自明のことなのです。
そういう簡単な真理を理解せずに、表面上は愛国心の為と、実は己の欲望の為に、他国民を殺戮し、自国民を戦争に送る権力者など、人類を幸せにすることなど出来ないのです。このようなことを多くの人民が理解すれば、そのような権力者を支持しなくなり、世界は変わるはずです。そういうことがどうして拡がらないのか、人間の未熟さを痛感します。何が足りないのでしょうか。