新型コロナウィルスの蔓延は世界的に未だ完全には治まってはいませんが、現在中心となる変異株の毒性が高くないということで、各国で以前の生活に近い状況が戻って来ています。日本でも、新規感染者数が日に日に減少していまして、来月中旬からはマスク着用が自己判断となり、五月には今まで2類だったものがインフルエンザなどと同様の5類に移行される見通しです。

 日本で感染者数が顕著に増加して以来、ほぼ三年間が経過しました。この間、新型コロナウィルスに感染して死亡された方、後遺症に悩まされた方、ワクチンの副反応で被害を受けた方、感染による直接的な被害では無く、政府による様々な規制や、市民自身による自粛活動が原因で、倒産した会社、仕事を無くした人々、収入が減少した人々など生活に大きな支障をきたした人々が多数いました。世界は大きな悲劇に包まれた一方、新型コロナウィルス用ワクチン、治療薬、マスクや消毒薬を代表とする感染防止関連製品を生産し、流通する企業などは大きく業績を上昇させています。例えば、ワクチン開発、製造のファイザー社は、2021年の新型コロナウィルスワクチンの売上高だけでも5兆円に迫るもので、全売上高に占める割合は約50%という多大な売上増加を示したのです。

 日本は太平洋戦争終戦時、荒廃した国土に貧困が蔓延した国でしたが、その後勃発した朝鮮戦争の需要でいろいろな産業の回復に弾みがついたことがありました。これまでの歴史を見て行きますと、このようなどこかで起こった悲劇が別の場所の景気上昇につながったことがよく見受けられます。火事場泥棒とまでは言いませんが、他人の悲劇を食いものにするのが自由経済の影の部分と言ってもいいかもしれません。人道的なことより商才があれば、いくらでも儲けられるのが、現在の経済システムなのです。これまでも問題視して来ましたように、今の資本主義経済では、富は富のある所に集まり、貧富の格差は拡大する方向に向かうのです。出来れば、儲けた利益の一部をある程度は被害者、弱者に還元するようなルールが必要だと思います。

 私は、為した成果に関わらず平等に富を分配する社会主義、共産主義のような平等主義には反対です。そうなると人間の進歩が損なわれるからです。だからと言って、すべて自由に富を奪い合うような社会にも反対です。私の理想は、努力したり、工夫したりして、人類に貢献したことに対して、それなりの報いを与えなければならないと思いますが、それには限度がなければなりません。現在のような数%の人が世界の富の大部分を所有するようなことにならないような仕組みを作らないといけないと思っています。そして、不当な行いをせずに真面目に働いていれば、ある程度の富を得られるような法律、制度が必要だと思っています。それが、新ハルモニア主義に込めた思いなのです。是非、このブログの1.~15.にも目を通してください。