前回のブログで今後の技術の進化で人間をある程度人工的に再現する可能性について考えてみました。それを考えている間に、人間をコントロールしている脳について感じたことがあります。
 脳の構造についてはかなり分かって来ていますが、それは情報の取り入れ、伝達、処理というコンピューター同等レベルの話でありまして、残された問題は人間の意識や感情はどこから来ているかです。一方、人間の設計図や制御のプログラムはDNAに存在していると言われています。DNAは四種類の塩基の配列でコード化されているのですが、最近の分析機器の進歩でこの配列はほぼ読み取ることが出来ているようです。しかし、その配列で遺伝情報としての身体の設計図を示すのが遺伝子と言われていますが、それは全DNA配列の極一部分にしか過ぎず、かなりの配列の意味はよくわかっていません。この判っていない部分に、何かしら人間の意識、感情に関わることを意味する配列のプログラムがあると考えるのはどうでしょうか。このように考えますと、人間が頭の中で考えていることもすべてDNAに由来していると考えることが出来ます。つまり、昔は魂とその入れ物である肉体があって、肉体が滅んでも魂は存在すると考えていたことが、死後の世界があるとする根拠なのでしたが、先程のように人間の意識や感情もDNAという肉体の一部に宿っていたとすれば、肉体が滅びれば魂も滅びると考えられるのです。

 生物学的に人間の進化は雄と雌から、半分づつDNAを受け継ぎますので、父と母とは異なった人間が生まれますが、その新しいDNAと言うプログラムで規定された人間が、環境により適している個体であれば、そのDNAを持つものが生存に適し、さらにそのDNAを子孫につないでいくのです。もし、人間の意識、感情を司るプログラムがDNAに存在するとすれば、両親の意識、感情のプログラムから半分づつ子供に受け継がれて、あらたに子供の意識、感情を司るプログラムが形成され、それがその子自身の性格などを形成するのです。但し、このDNA上のプログラムだけではすべての人格を決める訳では無く、脳に形成される記憶が関与すると思います。これにより経験が人格形成に影響するメカニズムとなると思います。

 つまり、DNAの中に描かれているプログラムと脳に蓄積されて来た経験が相まって、その人の人格を形成しているのです。このように考えますと、死んで肉体が滅ぶと脳もDNAが入っている細胞も全てが消滅することによりその人の全人格も消滅してしまいます。その人が持っていたDNAの一部だけが子孫や兄弟親族の子孫に受け継がれていくだけなのです。

 これはあくまで仮説なので正しいかどうかは分かりませんが、今の私は90%以上の確信で死後の世界は存在しないと考えるに至りました。本音を言いますと、死後の世界があるといいなと思っています。死がすべての終わりではないのなら、死ぬことも少し楽しみになるからです。そういうことで、このテーマはもう少し考え続けたいと思います。
 
 いずれにせよ、今生きているときに少しでも多く幸せを感じられることが一番重要であると思っているのです。

投稿者

弱虫語り部

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