ワールドベースボールクラシック(WBC)も、日本チームが米国チームとの決勝戦で接戦を制し、優勝しました。
一点差の緊迫ある展開の中、日本は細かい継投で、登板した投手ひとりひとりが自分の投球をしました。テレビで観戦していた自分でも心臓がバクバクするような緊張感を味わいました。ましてや、彼らは米国の超一流のバッターを前にしたら、逃げたくなるような気持ちもあったのではないかと思いますが、その気持ちを振り払って、渾身の一球、一球を投げ続けた日本の投手陣の強さには脱帽するしかありません。
どうしてそのようなことが出来るのか、少し考えてみました。使い古された言葉ですが、自分を信じて自分の出来る最高のプレイをすることに集中した結果だと思います。そして、自分を信じられる為には、これまでに血のにじむような練習を繰り替えしたのだと思います。どの選手も子供のときからずっと野球を上手くなる為に、どれだけの練習やトレーニングを積み重ねて来たのか気の遠くなるような世界だと思います。
数えきれないような練習に裏打ちされた自分の実力、技術なので、自分を信ずることが出来るのだと思います。
もちろん、彼らのような一流の選手には基本的な才能が備わっていたからだと、特別視するのも理解出来ます。しかし我々にも野球では無いかもしれませんが、誰しも何かしらの才能が備わっているものだと思います。それが何であるのか発見することがまず重要です。この気付きが幸せな人生を送る為のひとつの条件だと思っています。もちろん、そのことが世界のトップレベルである必要はありません。その分野で誰かからある程度認められることでいいのです。そのことを見つけ出すことが、学校教育の大事な意味なのです。だからこそ、受験勉強に集中するだけでは幸福にはなれないのです。もちろん、受験勉強の中の科目に才能を見出すことを否定している訳ではありませんが、それはテストでいい点数をとることではなく、その科目に大いなる興味が持て、それを学習することが好きかどうかが大切です。そして、勉強科目でなくてもいいのです。歌を歌うこと、楽器を弾くこと、絵を描くこと、ゲームをすること、プログラムを作ること、人と仲良くすること、植物を育てること、どんな事でもいいのです。
学生時代に、いろいろなことに接し、いろいろな経験をして、その中に自分が好きなことを探してください。それを常に忘れないようにすれば、どこかでいつか自分が人生をかけたいと思うものがきっと見つかります。今からでも遅くありません。自分の道を探し出すことが学生時代から青年時代の目的だと認識することが重要なのです。親や周りの人達に、いっぱい勉強して、いい学校に行けと言われても、それに集中するばかりでは、例え目標とする学校や企業に入れたとしても、自分の人生を見誤って、失望の人生をおくることになるかもしれません。ひとの意見を聞くことは大切ですが、ひとの意見を鵜呑みにすることは止めてください。ときどき、純粋な気持ちで、自分の心に問うてみてください。何が好きなのか、何をしているときにやりがいを感じているのか、何であったら辛くとも頑張ることが出来るのかを。
そして、大人達にもお願いします。子供達が自分探しをすることの手助けをすることが一番重要なのだと言うことを。