地球が誕生して約46億年が経つと言われています。人類の文明が出来て約2千年とすると、人類は地球の歴史の極々最近に登場した新参者だと言う訳です。人間の寿命を考えますと、我々があくせく生きて来たことも、一瞬の出来事なのです。
十億年前後の気が遠くなるような年月をかけて、地球の環境が生命を創造し、さらに30億年かけて、生命体を進化させて行きました。これだけ多くの時間がかかったのは、地球には意志も目的も無く、ただ偶然に何かが起こり、それで生み出された新たな生命が、環境に適応するものが生き残って行き、その数えきれないような数の偶然が重なり、現存するような生命が生き残り、また、たまたま人類が生まれたのだと思います。これまで栄えて来た生物は、地球環境の変化とその偶然の進化のみに従って歩んで来たことに比べ、人類は自らの意志で偶然に頼るばかりでは無く合目的に新しい暮らしを生み出して来たのです。偶然に頼って進化して来たこれまでの生物に比べ、人間は凄まじいスピードである意味の進歩を成し遂げたのです。
自然は、膨大な可能性を、偶然での現象を絨毯爆撃のように進め、その中から、その環境に最適なように生物を進化させて来ました。ですから、何十億年もかかってしまうのです。もし、創造主のようなものが存在して、合目的に、理論的に進化を進めていけば、もっと短時間で環境に適合できる生物を生み出していたと思います。
何を言いたいのかと言いますと、地球、自然と言うものは非常に膨大な偶然の積み重ねの結果、今があるのです。それだけの時間をかけて適合させて来たので、生物と言うもの、まだまだ人間では真似出来ない程の非常に精巧なものが生み出されたのです。一方、人間は理論的、合目的に進めて来たので、非常なスピードで進化を遂げることが出来ました。しかし、その目的そのものが、人それぞれの考え方が必ずしも一致していた訳ではありませんので、多くの矛盾、理不尽、不完全、未熟を包含しているのです。人類の社会がこれだけ生き難い世界となっているのは、そのようなことも原因だと思います。
出来るだけ多くの人達を幸せにすると言うことが人類の共通の目的になって欲しいと切に願いたいと思います。