先日行われた山口県の衆議院議員補欠選挙で、岸元衆議院議員の長男が当選しました。選挙運動のピーアールとして、岸元総理、佐藤元総理、安倍元総理などが並んだ家系図を示したり、安倍元総理を殊更に持ち上げ、何だか虎の威を借りた狐感が強くて、自身の具体的な公約も希薄で、前評判が芳しくなかったのですが、結果は苦戦ではあっても当選となったことに驚いています。結局、この選挙区の多くの有権者が彼に投票したと言うことですが、何故、政治家としての中身も感じられない候補者に一票を投じたのでしょうか。先代からのしがらみでしょうか、保守王国と言われ、明治維新以来の長州藩閥の亡霊から抜け出せないのでしょうか。いずれにせよ、純粋にこの候補者がどれだけ住民の為に仕事が出来るか、能力があるのかと言った本質的な観点でもって選択したとは考えられません。
地域で生きていくと多くのしがらみがあると言うことも理解できますが、周囲の人が推す、推して欲しいと頼まれるなどと言った環境からなかなか抜け出せないのでしょうか。ひとりひとりが、自分自身でいろいろな情報に接して、出来るだけ、国民の為の仕事が出来る候補者を自分自身で選択すべきです。政党や家系やしがらみで選択しては、結局自分や家族の首を絞めることにつながることを理解しないといけません。
親である岸元議員が健康上の理由で議員を辞職し、その後継者に実績も能力も乏しい長男を指名すること自体に疑問を持つべきです。国民の為と考えている人であれば、安易に長男を指名する訳はありません。自分の子供が可愛くて、自分の既得権益を自分の子供に継がせたいと言う普通の親の思考法しか出来ない人なのです。そのような岸元議員の長男だから間違いないと言える訳はありません。
世襲を完全に否定してもいいとは言いませんが、多くの二世、三世議員は、親や祖父から受け継いだ基盤、知名度、スタッフ、選挙資金でさほど能力が無くとも、神輿に担がれていれば当選すると言った既得権益を排除すべきです。さもないと政治家に向いていない世襲議員が多数輩出され、日本の政治のレベルが益々低下して行ってしまうのです。親である議員も、この事実から目を背けずに、本当に国民の為の判断をするべきなのです。本来、議員とはそれくらいの見識を持つ人がなるべきものなのです。
議員が自分の子供を秘書に任命しているのは調べれば判ると思います。そういう議員には注意をした方がいいです。特に、秘書として存在感を示すことも出来ない後継候補については、早い段階から注意しておくべきです。また、立候補したとき、今回のように、演説の内容を聞けばある程度の資質は明らかになると思います。親から受け継いだブレーン、スタッフから言わせられている内容しか演説できないような人には決して投票しないことが、自分や家族の生活を守ることになるのですから。