人工知能AIの発展が止まりません。対話型AIを使ってみました。自分の興味のある分野で質問してみましたが、一見、自然な文章で模範的ともとれる回答が即座に帰って来ました。どうも受験などの問題に対する模範解答を出せる実力はあるのではないでしょうか。まだまだ自分で試したサンプル数が少ないので、結論めいたことは言えないと思いますが、世の中のかなりのところで見られる公式的な質問や回答はほぼ出来るレベルに到達しているような感じがしました。学校のテスト、受験テスト、ビジネスの場では、株主総会や定例会議の質疑応答、政治の場では議会の質疑応答など、完全にAIに切り替えても成り立つかもしれません。逆に言うと、それらがこれまでどれだけ形式的で、無難なやりとりに終始していたのだとも言えます。
教育の場、経済の場、政治の場において、現在、権限を持っているエリートと言われる人達の発言をAIの作る質問、回答と比較してみたらいいと思います。AIが同等以上のことが出来ていれば、その人達のその地位での価値はないと言えると思います。
今のAIの実力で同等以上の結果を残せるならば、その立場における人間の価値は失われたと言えるのではないでしょうか。このようなAI社会では、如何にAIでは生み出せないことを発信できるかで、人間の価値が決まるのです。
ロボットの発達によって、人間がこれまで担ってきましたブルーカラー的な単純作業をロボットが代替して行くだろうと推察して来ましたが、AIの発達によって、ホワイトカラーの仕事もかなり代替できるものとなってしまいます。実はこのことは、今のホワイトカラーと言われる人々が、本来の知的で創造的な仕事をしていないと言うことを証明してしまったと言う皮肉な話でもあるのです。
もちろん実際、AIに完全に切り替えるには多くの問題があります。AIが参照する莫大な情報の中に間違った情報が混じっている場合、間違った答えが導かれるリスクがあります。また、AIのプログラムはユーザーから見てブラックボックスですので、故意にある方向に答えを誘導することだってあり得るのです。
そういうことなので、私はAIを重要な意思決定などに利用するのはまだまだ先の事だと思っています。しかし、政治家や経営者、教育者の発言とAIの発言を比較することによって、その人の価値を評価することには活用したらいいと思います。