千葉県は、5月補正予算案で、小学生から高校1年生を対象として1人あたり1万円、総額60億円の臨時給付金を盛り込みました。
この政策には、いくつもの疑問があります。
まず、だいたい1人一万円で、どれだけの効果があるのでしょうか。電気代、ガス代、水道代の値上げ、ほとんどの生活関連商品の値上げが続く中で、県民の生活がかなり圧迫されているのは間違いないと思いますが、一般の家庭で、1万円というお金でどれだけの支援効果があると考えているのでしょうか。無いよりはましで、家族で一回外食すればほとんど消えてしまうレベルの支援で、どれだけ生活にプラスになると言うのでしょうか。
さらに、この給付金支給には条件は無く、それこそ1万円程度のお金だと鼻で笑うような富裕層にも支給されるのです。
そんな各家庭レベルでは、簡単に消えてしまう給付金ですが、総額にすると60億円と言う大金であります。この60億円をもっと別の使い方をした方がいいとは発想できないのでしょうか。1万円をばら撒くと言う、なんと知恵の無い策を、生活が苦しくなっている一般層、貧困層の為だと堂々と発表する知事も、裸の王様であるとしか思えません。
平均的に収入の半分近くを税、社会保険関係で徴取されている民衆として、こんな知事や議員の自己満足で、60億円を簡単に使ってもらって、良いわけはありません。しかし、税金を特定のところに使用するとなると、必ず反対者が出て、分捕り合戦になってしまいます。そのような困難なことは避けて、適当にお茶を濁すのが、無能なものの常套手段なのです。千葉県知事は、まだ若くて、前知事の無能ぶりに懲りた県民が多数投票して当選したような気がしますが、これでは、その期待に応えられるとは思えません。
税金をどれだけ効率的に、効果的に使うかが、為政者の力の出し所だと思うのです。そのような知恵の無い政治家達から、その地位、権力、富を剥奪すべきなのが本来だと思いますが、それが出来ないほど、ほとんどの政治家の質が落ちているし、そのような政治家しか選ぶことが出来ない選挙システムも限界が来ていると考えなければなりません。