岸田総理は、G7広島サミットで、平和記念公園での各種セレモニーも含め、非核化への各国の意志を確認し、ウクライナのゼレンスキー大統領の招聘にも成功し、ロシアの力での侵略に断固対抗する話でまとめることが出来、国内外からの高い評価を受けました。
これにより、国内での支持率も約10%好転していましたが、岸田総理の総理政務秘書官でもある息子が、総理公邸で、親族を集めて忘年会を開き、公務スペースでのふざけた様子の写真が公開されたことで、一転、窮地に転じることになりました。
元々、自分の息子を政務秘書官に任命したときも、その任に適しているのか、単に身内を近くに置きたかったのではないかと問題になりました。その後、総理の欧州外遊に同行したとき、公用車で観光したり、土産物を購入したことが問題になっていました。いずれも、岸田総理は息子を更迭するようなことはなく、守り抜いて来ました。
生物学的には、自分の近い遺伝子を持つものを守ろうとするのは当然の行為ではありますが、一国のリーダーであり、公人の最たる地位に就いているものが、身内よりも国民を優先すべきは当然のことですし、それくらいの見識の高い人でないとなってはいけない地位だと思います。特に、回りや国民から、身内に甘いなどと露とも言われることがないように、普通の感覚よりも極端に身内に厳しく対処することが通常の総理の在り方だと思います。そういう意味でも、今回は、きっちり息子を処分することで、はじめて国民の理解を得られるのだと思います。
このようなことは、大勢を見極めているものであれば簡単に認識出来ると思うのですが、今回の岸田総理の場合は、どうしてなんでしょうか。
G7の成功で、国民は自分を高く評価している、息子の事くらいで、それはぐらつかないと判断したのでしょう。なんと独りよがりの判断でしょうか。ある意味、裸の王様状態とも言えると思います。周りの人間が、きちんと岸田総理に意見を言うこともなかったのでしょう。
本人は大したことは無い、すぐに忘れ去られるような些細な問題だと考えているのであれば、大きな間違いだと思います。今回のことで、岸田総理の才覚に疑問を持ったひとが少なくないと思いますし、それが後々、政権の屋台骨を揺るがしかねないことになると思うのです。