地球温暖化により、日本を取り巻く海流の通り道も変化し、海水温も変化しています。それに伴い、いろいろな海域で獲れる魚の種類、量も大幅に変化しています。日本近海では、サンマ、サケ、マダラ、スルメイカ、ズワイガニなどの漁獲量が減少し、逆に、マイワシやブリ、タチウオなどは増加しています。これに対し、水産庁は漁業者に魚種や漁法を転換することを勧めています。それによりピーク時の三割程度に減少した総漁獲量の回復を狙っているようです。
地球環境の変化は、世界的にも、異常気象を招き、熱波、極寒、水害などの被害も多発しています。また、漁業だけに留まらず、陸地での農業にも植物の生育地域の変動などが徐々に浸食して来ています。
地球上に住む人類は、このような環境変化に立ち向かっていかなければなりません。その為に、環境変化のスピードを鈍らせるような二酸化炭素削減も必要でしょうし、変化して行く環境に適応することも必要だと思います。農業や漁業の変革は後者にあたるものです。また災害に対しては、治水、防波、防風、建造物の対策のような土木技術的対策、居住地域の移動などと言ったことも考えられますが、特に後者は、地域に根差した人々の生活がある以上、簡単なことではありません。しかし、歴史的には、人類はこれまでにも、食料を求めて、また平和を求めて、世界の様々な場所に移動して来た訳ですから、不可能ではないでしょう。このようなことを考えますと、大自然に立ち向かう為には、国境というものは大きな障害となりますし、国家という枠組みも一部の権力者、富裕層を守る為のものでしかないかもしれないと気付くことになるのかもしれません。
伝統や文化や国家、血筋などにこだわる人も多数存在するとは思いますが、このような地球規模の変動に対応する為には、そのようなことより、如何に多くの人達が、ある程度豊かに、そして平和に暮らすと言うポイントに絞って、改革を進めるべきだと、私は思います。これまでの権力者、富裕層主体の国作りから脱却するチャンスととらえれば、地球環境の変化と言う難題にも、前向きに対応できるのではないかと思います。この点におきましても、新ハルモニア主義の様々な提案は多くの人々の生活と暮らし、幸せ探しに活かされるものだと思うのです。