AIやロボット技術が益々進展して行くとしたら、人間の仕事が無くなるのではと心配している人もおられると思います。
一方、世界を見渡しますと、人口が多くて、ほとんどの作業が人海戦術に頼った方がコストがかからないと言うような国もありますが、先進国では、出生率低下、高齢化により、労働人口が低下している国が多いと思います。つまり、ある程度の豊かさを享受して来た国では労働者の確保が大きな課題となっています。ひとつは絶対人数が減ったこと、もうひとつは高等教育を受ける人の割合が増えて、これまでブルーカラーと言ったイメージとして3K(キツイ、キタナイ、キケン)の職業を敬遠する若者が増えて来たことも挙げられます。生まれてからある程度の水準で過ごしてくれば、なるべく3Kの仕事より、高給で綺麗なオフィスで仕事をするような仕事に憧れるのも分かるような気がしますが、そんな仕事も社会を成り立たせるには重要な仕事なのです。どのような仕事も無くてはならないのですが、多くの人達が敬遠して成り手が無くなってしまうと非常に問題なのです。そこで、そのような3Kの仕事を機械が代替してくれることは歓迎すべきなのです。と言って、誰もが、同じような人気のある仕事を目指してしまうことも避けなければなりません。
人生の生き甲斐となる選ぶべき職業とは、本当は自分の特性にあったものであるべきなのだと理解することが必要です。そのような天職に就くことが一番幸せな人生を送る鍵なのだということも理解することが一番重要なことなのです。
ロボットと言うものは、今の若者が避けたい、危険できつく汚い、そして単純な繰り返しの仕事を担ってくれるのも特徴です。つまり、社会には必要だが、成り手が少ない仕事を担ってくれるもので歓迎すべきものだと思います。
最近注目されています生成AIはどう見るべきでしょうか。自治体などでも、採用していくとしている所が増えて来ていますが、定型的な仕事であれば、人間より確実に一定レベルの文章を作成してくれ、間違った情報をベースにしていないかなどの確認をすればかなり使えるのではないでしょうか。それにより、これも人間の負荷をかなり低減してくれると思います。
私は、労働力の確保や作業効率向上、3Kの仕事を担ってくれることは非常にいいことであり、ロボットもAIも現代が抱えている労働問題を解決してくれる大きな武器になると思います。
但し、人間は自分自身の適性にあった長い人生の中でヤル気を持って取り組んでいけるような職業を見つけることが重要であり、そのような仕事であれば、機械化では得られない人間の創造性を発揮することに集中出来、機械と共存できるのです。もし、そのような天職を見つけられないとなったら、誰にでも出来る仕事を探すことになり、そのような人にとっては、ロボット、AIに仕事を奪われてしまうかもしれません。ここが一番のポイントです。多くの人が天職に近い職業を見出せるように、教育はそのことを目標に改革していくべきなのです。