日本に長期滞在し、就業希望の外国人に立ちはだかる壁が、日本語と言う特殊な言語です。

 来日して、日本語学校に通い、日本語習得を目指す方達は、ヨーロッパを発祥の地とした、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、そしてアジアを発祥とした中国語、韓国語などを母国語に、他の言語、特に英語も使いこなす人が多いのです。しかし、数ヶ国語に親しんだ人でも、日本語の特殊性に戸惑う人が多数のようです。

 日本語は中国から渡来した漢字、漢語をベースに、独自にかなを加えて発展して来ました。さらに戦国時代から、江戸時代で少し途絶えた時期を経て、明治以降、ヨーロッパとの交易で、彼らの言語を少しづつ吸収して来て、現代では多くのカタカナ外来語を加えて今となっています。また若者言葉と言う独特な言葉も一般化しつつ、非常に複雑な多源から成り立つ言語となって来ました。

 私の感触では、漢字の単語は中国語と、発音、読みは韓国語と重なるところが多いと思います。それにヨーロッパ言語由来のカタカナ言葉がそれぞれの国の言葉と共通しているのです。
残念ながら、表面的には、それらには規則性が見られないので、日本語習得に利用できるとも言い難いのが残念です。

 また、日本人の気質からなのか、日本においては、きちんと日本語を喋るべきだとする風潮があり、それが日本の会社や職場で要求される日本語のレベルを上げているようです。

 一方、日本人の外国語習得レベルは低く、特に長年勉強している筈の英語も中、高、大学での勉強だけではあまり実戦で役に立っていないのも事実です。それが、先程述べたような日本でなら、日本語を話すべきだと言う要求につながっているかもしれません。そして、その考え方から英語を話すのなら正しい言葉で話さないと恥ずかしいと思い、結局、英語を使うことを躊躇して、さらに英語の習得にも障害となっています。

 SNSで、コロナ後に日本を訪問する外国人の記事が増えていますが、ほとんどの人が、母国語ではない英語をある程度のレベルで話していますし、中には、日本語もかなりの使えるレベルで話されているのを聞いて、驚いています。

 彼らは日本語を日本のアニメから覚えたと言うひとが多くいました。それで、日本の英語教育が成果を上げられていないのは、机上、紙面の堅苦しい英語を中心にしているからだと分かります。子供達が興味のある内容、それがアニメや映画ならそれでいいと思いますが、それらを教材にして、勉強すれば、もっと多くの人がある程度の実践的な英語を修得できるのではないでしょうか。そのレベルをクリアすれば、その後は、それぞれの専門性に合わせたレベルにステップアップさせればいいのです。最初から、正確な文法で型にはめたような英語を無理やり覚えさせても、身につかないのだと思います。

 日本の教育は、文科省、教育委員会が綺麗ごとで、それぞれの専門分野で専門家が必要とするレベルを総花的に詰め込んで出来たとしか思えない、指導要領、履修内容で構成されていますが、本当に子供達に必要な事を優先順位付けして、そして、実践的な内容で組み直すべきです。いつも述べていますように、そのベースは、どのように個々が幸せ探しをしたら良いかを学ぶことだと思います。以前の教育改革について触れているブログを読んでいただければ、どのような教育改革をすべきか理解していただけると思います。