夏になり、夏休み、お盆休みとレジャーの季節になりますと、今年も、水難事故、山岳事故が多数報道されます。
毎年のことなのですが、初歩的なリスク回避が為されていないケースが多く見られます。人間は、自分だけは大丈夫だと言う、あまり根拠の無い楽観的観測をしてしまう傾向があります。ニュースなどで事故のことを聞いてはいても、自分が同じような状況に向かうとしても、あまりその貴重な前例に対して注意を払わない人がいます。
特に、海にしても、川にしても、山にしても、自然環境下での行動には、気象状況と人間の体調と言う非常に変化の激しいことを充分に計算に入れなければなりませんが、ついつい大丈夫だろうとと高を括ってしまうのでしょう。
私は製造業での現場作業の安全対策が身に沁みているのか、自分の行動に対する危険リスクの予測とその対応策をついつい考えてしまいます。同業者や同僚の多くの事故の事例を学んでいますと、多くの落とし穴が隠れていることが普通であることを認識せざるを得ません。
人間が中心となっている活動でも、そうなのですから、ましてや相手が自然の場合は、そのリスクは多方面に無数に存在していると考えないといけないのです。特に、今年のお盆のように、台風などが接近している状況の危険性は人智を超えるものだと考えるべきであって、いくらせっかく休みがとれて計画しているからであっても、そのような状況では海や山に入らない、計画を中止すると言うのが唯一の答えだと思います。それなのに、まだ台風から離れていて、いい波が期待できるからと考えるサーファーや、大して荒れないだろうし、コースの難易度も高くないと富士山などに登ることを考える人は、本当に馬鹿げた判断をする人だと呆れてしまいます。
結果、遭難してしまうと、自分だけが危険に合うだけでなく、多くの救助関係者までも危険にさらされてしまうのです。
ことを起こす前に、他人に迷惑をかけるのではないかというような想像まですべきだと思います。特に危険予知は、非常に悲観的な最悪の予測を前提に、自分の行動を律するべきなのです。
ハワイでの山火事などを見ても、例え発火の原因は人間であっても、ひとたび火が回ってしまっては、人間の力なんてちっぽけなものだと思えてしまいます。
人間は、未だ自然を上手くコントロールする力を手に入れてはいません。そのことを肝に銘じて、自分の行動を責任もって律することが重要なのです。